- 2012/10/15 掲載
日本の年金制度は18カ国中17位、中国・韓国も下回る
「高齢化社会や資産運用収益の低下、また場合によっては政府の巨大な債務超過など、各国の年金制度は一層の危機に晒されています。十分な給付が長期的に、そして持続可能な手段によって提供されるように、制度改革が必要とされています。」
マーサー ジャパン年金・財務リスクコンサルティング部門アソシエイト・コンサルタント、田渕祥之氏は、以下のようにコメントしている。
「日本の年金制度のランキングは世界の対象国で見ても下から2位であり、アジアの中でも同様に下から2位という結果になりました。また、アジアの年金制度のほとんどが下位にランキングされています。詳しく指数を見てみると、特に所得代替率(現役世代の年収と年金給付額の比率)と最低年金額が他の対象国に比べて低いことが分かります。これより、アジアの対象国では他の対象国よりも企業年金や個人の貯蓄等の必要性が高く、負担が大きいことが伺えます。」
「日本の場合、最近の年金制度改革では、厚生年金等の適用範囲の拡大や確定拠出企業年金の従業員拠出などがありました。これらの改革は低額年金者への救済や老後へ向けた資産形成の選択肢の拡充につながります。しかしながら、ランキングの結果が示すように既に十分な制度とは言いがたく、また今後も経済環境や人口構成(年齢、平均寿命、労働人口などの分布)など、刻々と条件が変わるため、年金制度を引き続き改革する必要があるでしょう。文化的な違いはありますが、世界各国の年金制度を定期的に評価している当指数が新たな改革の議論のきっかけとなれば幸いです。」
なお、マーサーでは、日本の制度の年金指数を改善する上で、以下のような方策を提言している。
・年金給付額の引き上げに伴う、所得代替率の改善
・(企業年金などの)老齢給付の一部を年金所得として取得するよう定める規制の導入
・平均寿命の増加に伴い、公的年金制度の支給開始年齢の更なる引き上げ
当指数に基づく調査は今年で4年目。対象国は実施当初の11カ国から18国に増加し、世界の人口の50%超を対象としている。各国の公的ならびに私的年金制度の積み立てや、個人貯蓄などの年金以外の資産についても客観的な評価を目指している。
この指数はマーサーならびに豪州ビクトリア州政府の機関であるオーストラリア金融研究センター(ACFS)によって開発され、指数自体は40以上の調査項目から構成されており、「十分性(Adequacy)」、「持続可能性(Sustainability)」、「健全性(Integrity)」に大別されている。
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