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- 2014/10/03 掲載
ソニー銀行によるアマゾンAWSのセキュリティ評価の結果は?最終的に37%コスト削減も
ITコストの最適化と俊敏性向上を目的にAWS導入を決定
同社では、ITインフラ構築・管理に必要なコストの削減、およびビジネスにおける俊敏性の向上を目的に、2011年頃よりハイブリッドクラウドによるシステムへの移行を検討していたという。
そこで、国内・海外を含め、クラウドサービスの実績、信頼性、セキュリティ認証、コスト、テクノロジー、システムメンテナンス等を比較し、AWSを検討対象として選定。さらに詳細な評価を実施した。
「事前検討フェーズで最も重視したのはセキュリティ」(大久保氏)という。FISC安全対策基準などに基づく、金融機関向けセキュリティリファレンスを参照し、金融機関への導入実績などを評価して野村総合研究所(NRI)に協力を依頼した。
3か月かけて、AWSクラウドセキュリティモデルの評価、FISCの適合性確認、同社が制定したリスク評価項目に基づいた確認を実施した結果、AWSはグローバルなセキュリティ基準であるISO27001、クレジットカードのセキュリティ基準であるPCI DSSの認証も取得しており、「セキュリティ・内部統制の基準をクリアした信頼性の高いシステムを構築・運用できると判断した」(大久保氏)。
5つのVPCを作成し、7つのポイントで詳細な方式設計を実施
AWSへの移行候補となったシステムは、一般社内システムと銀行業務の周辺システムだ。銀行業務の中核となるインターネットバンキングシステム、勘定系システム、および外部連携システムについては、引き続き自社内のオンプレミス環境で運用されることとなった。システム移行にあたっては、AWSの東京リージョンに、5つのVPCが用意された。
さらに、AWSを基盤として安定的に活用するため、次の7つのポイントについて、詳細な方式設計が行われた。
「システム間通信制御」はシステムごとの通信制御、「インターネット通信制御」は、AWSコンソール管理やEC2の起動/停止など、インターネット接続が必要なケースの制御だ。さらに、サーバサイドとクライアントサイドの「暗号化方式」、システムの状態を24時間・365日監視する「監視方式」、ネットワークの障害発生に備えるための「ネットワークの冗長化」、既存システムに影響を与えないで本番移行を実現するための「EC2の移行方式」の設計が行われた。
【次ページ】AWSへの移行により約37%のコスト削減
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