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  • 2024/09/03 掲載

メルカリ日本事業責任者が語る“最強”組織論、スピードとコンプラ両立のヒミツとは?

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フリマアプリを中心に据えながらフィンテック事業を拡大し、AIを活用したプロダクトの研究・開発にも積極的に取り組むメルカリ。サービスの開発競争が激しさを増す中、不正対策などで慎重さが求められる金融分野にビジネス領域を広げる上で、体制面でスピードとコンプライアンスの両立をいかに図っているのでしょうか。同社の日本事業責任者である山本真人氏に、多様性を基軸に据えるメルカリ独自の組織論について話を聞きました。
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メルカリ 執行役 SVP of Japan Region 兼 CEO Marketplace 兼 メルペイ取締役
山本真人氏

知見は多様、ゴールは1つ

 メルカリが取り組んでいるD&I(Diversity and Inclusion、多様性と包括性)のうち「ダイバーシティ」に関しては、多様な知見を持った人材が協力できる空間にできればと考えています。

 フィンテックは「Fin」だけでも「Tech」だけでも成立しません。とりわけ金融系サービスを提供する上ではAML(マネロン対策)も重要ですので、IT系スタートアップでプロダクトに携わっていたような人材だけでなく、銀行など金融機関でリスク管理、コンプライアンス管理を担当していた人材を積極的に採用しています。

 たとえば「メルカード」を作り上げるプロセスにおいても企画の段階から、リスク管理の担当者やコンプライアンスの担当者、経営企画、プロダクトデザイナー、エンジニアといった人たちが、一体となってプランニングしていきました。

 とはいっても、以前の仕事の方法をそのまま続けてもらうわけではありません。リスク担当の人には、「いや、銀行ではこうやって業務を進めていた」ということではなく、「自分が守らなければいけないと思うものを、実際のテクノロジーの開発現場に当てはめるとどうなのか」という知見で物を言ってもらうようにしています。

 逆に前職のIT系スタートアップで、バグが出たとしても直しながらとにかく進めるアジャイル開発に慣れ親しんできた人にも、まずは金融機関のサービスとはそもそも何を守らなければいけないのかを理解してもらうようにしています。エンジニアの方々は好奇心が極めて強く、リスクやコンプライアンスに関する領域についても、きちんと説明すればとてもよく吸収してくれます。

 もちろん複数の知見を混ぜ合わせることは簡単ではありません。金融機関とITスタートアップの出身者が同じ目標に向かって進むことも、最初のうちは難しさがありました。しかし、「こちらで2線のチェックをやります」「そちらで承認します」「それからあそこでレビューします」という関門的な方法では、どうしても開発のスピードが失われてしまいます。

 多様な知見を持った人が、1つの目的の下に理解し合いながら進める「All for One」の姿勢によって、それぞれの知見が失われずに、スピードも維持できるのだと実感しています。

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フィンテック領域の一部では部署役割を明確にわける「3線体制(Three Lines Model)」を採用。金融機関と同様の体制

 カーブをスピーディーに曲がるためには、ブレーキをうまく使うことが大切です。攻めるべき立場の人がブレーキの機能を知った上で攻め、ブレーキを踏む人が、攻め方を知った上でブレーキを使うというように、単純な減速と加速の対立ではない使い分けができているかと思っています。

 もちろん全員がすべてのミーティングに出席することは不可能ですし、それこそスピードが犠牲となりかねません。基本的な情報や議論の流れについては、社内ツールとして使用しているSlack上で可視化する仕組みを作っています。 【次ページ】スピードとコンプラ両立する「3つのバリュー」と組織論

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