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- 2025/03/03 掲載
集客力が大改善? 京都銀・南都銀がはじめた「リアル店舗の新・活用術」が凄いワケ
連載:「地銀」ビジネス最前線(第2回)
地銀にとって「店舗戦略」が重要になってきた理由
ここ数年、メガバンクだけでなく、地銀においても、有人店舗の統廃合が急速に推し進められてきた。背景には、(1)人口減少、(2)低金利、(3)スマホの普及により、有人店舗の来店客数が減少し、採算性が悪化したことなどが関係している。そうした中、従来型のフルバンキングの店舗(銀行機能をフルに提供できる店舗)を減らし、相談業務に特化したキャッシュレスの軽量型店舗を増やしたり、ブランチインブランチ(店舗内店舗)への移行を進めるとともに、次世代型ATMの導入、ペーパーレス化、事務集中化などにより営業店事務の削減にも取り組んできた。
地銀は、店舗の統廃合を進めながらも、顧客の利便性の維持と店舗コストの削減とのバランスを何とか保つように注力してきたとも言えよう。
しかし、2024年3月以降、日本銀行による3度の利上げにより「金利ある世界」が戻りつつあり、地銀にも従来の店舗の統廃合一辺倒から、店舗を拡大するなど店舗戦略を見直す動きが起きつつあるようだ。
その最大の要因は、預金獲得の場として“店舗”の重要性が高まっていることにある。「利ざや」が拡大することで、本業である貸出業務の収益性が増すことから、原資となる預金獲得の重要性が再認識されているのだ。
地銀の強敵…楽天銀・住信SBI銀の実力とは
約17年ぶりに復活した「金利ある世界」だが、当時とは大きく異なる競争環境にあるのも確かだ。それはデジタル化・スマホ化の進展により、異業種のネット銀行の存在が大きく拡大したことだ。特に、既存の銀行とは違い、ネット銀行は有人店舗を持たず人件費も抑えられることから、その分、利用者に高い金利を付与することで預金者を伸ばしてきた。
実際、トップの楽天銀行の預金残高は、前年比15.4%という高い伸び率のもと10兆5,402億円に達しており、口座数も1523万に達している(2024年3月末)。
2位の住信SBIネット銀行も、前年比18.7%の高い伸び率のもと、預金残高9兆4,658億円、口座数726万に達している(2024年3月末)。これらトップ2行の預金残高は、それぞれが、地銀上位行に匹敵している。
また、主なネット銀行9行の預金残高は、41兆7,353億円に達しており、もはや無視できない大きなプレゼンスを誇っている。
実際、ネット銀行は、その利便性や手数料の安さなどから、コスパ・タイパなどお得感を重視するデジタルネイティブ世代だけでなく、ミドル世代からシニア層に至るまで幅広い層で利用されるようになっている。
こうした中、店舗ネットワークと営業員を活用し、対面にて預金や融資を取り扱い、金融商品を販売してきた地銀など既存の金融機関には逆風が続いているのだ。
「なぜ、わざわざ地銀の店舗で預金を預けたり、NISA(少額投資非課税制度)や住宅ローンを利用したほうがいいのか?」「楽天銀行や住信SBIネット銀行のほうが、預金金利は高く、金融商品は豊富で、住宅ローン金利は低い。スマホでいつでも簡単に操作できるし、ポイントも貯まるのではないか?」という利用者の素朴な疑問もある。こうした中、地銀はどう戦っているのか。
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