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2021年2月15日、日経平均株価が30年ぶりに3万円台を回復した。しかし、我々生活者の肌感ではそれほど景気が良いという実感はない。1989年末、日経平均が4万円に迫って以降、わずか2年で株価が3分の1にまで下がった「バブル崩壊」を経験した世代の中では、今回も「バブルではないのか」という懸念が広がっている。足元の株高は、はたしてバブルなのか、それとも実体を伴うものなのか。第一生命経済研究所 主任エコノミストの藤代宏一氏に話を聞いた。
コロナ禍で世界の株価が上昇しているのはなぜか?
コロナ禍で株価が上昇しているのは、日本だけではない。米国でも上昇しているほか、ヨーロッパ、特にドイツなどで株価が戻りはじめている。その理由は何なのだろうか。第一生命経済研究所 主任エコノミストの藤代宏一氏は、「株価が上がるとすぐにバブルだと言う人もいますが、実体経済のデータをしっかり見ていく必要があります」と指摘する。コロナ禍で見られる相場の特徴として押さえておくべきことがある。それは、コロナ禍による不況が「犯人」不在であることだ。
たとえば、1990年代の日本のバブル崩壊の裏には、企業業績を度外視して株を買い続けた法人・個人という、危機を引き起こした「犯人」の存在があった。2008年のリーマンショックでは、サブプライムローンという信用度の低い人でも借りられるローンで住宅を売買した人々がいた。2010年の欧州債務問題では、ギリシャやイタリアなど放漫財政国家が存在した。当時、彼らの救済のために税金を投入することには当然抵抗があり、経済対策の発動が遅れ、その規模も小さくならざるを得なかった。
一方、犯人不在のコロナ禍では、過去の危機とは異なり人間に落ち度はなく、困っている人を助けるためという名目で、あっと言う間に予算が成立し、大規模な財政出動が行われた。そのことが無限とも言える政策期待につながっているのだ。
こうした状況を踏まえ、現在の株価は適正な水準と言えるだろうか。藤代氏は、「株価は実体経済の強さに、政策支援の要素を合計したものと考えると整理しやすい」と話す。したがって、コロナ禍による大規模な財政支出が現在の株価を押し上げている可能性が考えられる。
ここからは、そのことを裏付ける指標を交えながら、何が株価上昇を引き起こしているのか、より詳細に解説していく。
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