- ありがとうございます!
- いいね!した記事一覧をみる
現在、民間企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)が急速に進んでいる一方で、遅れをとる政府機関も変革を迫られている。国内の金融システムの安定を担う金融庁も例外ではなく、押し寄せる改革要求を受けながらDXを推進している過程にある。同庁の情報企画調整官を務める稲田拓司氏が、その取り組みの概要を語ってくれた。
金融庁にせまる改革要請
金融庁には今、改革へのさまざまな“外圧”がかけられている。押印・対面廃止、旧姓使用、手続きのワンストップ化といったキーワードに象徴されるもので、金融庁 総合政策局 秘書課 情報企画調整官の稲田拓司氏は、「規制改革推進会議を通じて経済4団体、各種業界団体からも『日本の取り組みは立ち遅れている。規制をどんどん撤廃して改革を進めてほしい』という進言が相次いでいます」と語る。一方で政府からも強いリーダーシップによる改革の後押しが始まった。内閣府の規制改革推進会議により「『書面、押印、対面』を原則とした制度・慣行・意識の抜本的見直しに向けた共同宣言」が出され、デジタル技術を積極活用した行政手続きやビジネス様式の再構築が閣議決定された。
また、自由民主党 政務調査会 財務金融部会・金融調査会からは、金融庁と日銀の縦割り打破(金融庁検査と日銀考査の一体的運用について)が提言された。
河野太郎行政改革担当大臣と平井卓也デジタル改革担当大臣によるオープン対話においても、行政手続きのデジタル化をさらにスピード感をもって進めることの必要性があらためて語られた。「規制改革・行政改革ホットライン(縦割り110番)」や「デジタル改革アイデアボックス」に寄せられたアイデアや意見に応え、PPAP(パスワード付きzipファイル送信)の廃止を平井大臣が即断したことも話題を呼んだ。
金融庁内部の職員からも働き方改革に対するニーズが高まっている。稲田氏は、「こうして周りからも背中を押され、金融庁におけるデジタライゼーションの取り組みが加速しています」と語る。なお、ここで言う「デジタライゼーション」とは金融庁独自の表現で、デジタイゼーションおよび世間一般で言うところのDXを包括した概念として用いられている。ここからは、具体的に金融庁が実践しているDXを解説したい。
今すぐビジネス+IT会員にご登録ください。
すべて無料!今日から使える、仕事に役立つ情報満載!
-
ここでしか見られない
2万本超のオリジナル記事・動画・資料が見放題!
-
完全無料
登録料・月額料なし、完全無料で使い放題!
-
トレンドを聞いて学ぶ
年間1000本超の厳選セミナーに参加し放題!
-
興味関心のみ厳選
トピック(タグ)をフォローして自動収集!