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- 2015/03/05 掲載
PayPal創業者ピーター・ティール氏が語る破壊と創造、既存市場の競争より独占を目指せ
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貨幣も仮想的なもの、ITと金融が結びつくのは自然
![photo](https://www.sbbit.jp/article/image/29378/250_bit201503041203275361.jpg)
共同創業者
ピーター・ティール氏
三木谷氏はこの質問に対して「楽天は97年からECをやっている。インターネットのチャンスをいち早く感じ、ネット上のトランザクションと金融のマッチングを行ったフロンティアだと思っている」と語り、現在はオンラインの取引のとどまらず、決済システムやビッグデータにつながる金融サービスを展開しようとしていると述べた。そのうえで「日本の銀行制度や金融制度は完成されており堅牢であるが、一方でグローバルなFinancial Technology(FinTech)を共有していかなければならないと思う。その使命を感じている」と答えた。
「FinTechには大きなポテンシャルを感じている」というティール氏。同氏はその理由を「お金もじつは仮想的なもので、ITと金融が結びつくのはむしろ自然である」ためだと説明した。「ただし、時代ごとの技術や規制といったの障害をどう乗り越えるかが課題だ」(ティール氏)
通貨をデジタルと交換することで通貨の定義も変わる
続いて関口氏は「日本のような金融やオンライン取引で完成されたプラットフォームがあると、例えばPayPalのような新しい仕組みが苦戦することがあるが、ECや電子決済では成熟市場より新興市場のほうが有利なのか」とティール氏に質問した。
これに対してティール氏は「テクノロジービジネスにおいて『うまくいっているものは完璧の敵である』という言葉がある。新しいものがでてきたとき最初の成功で方向性が固まってしまい発展しにくくなるということだ。システムの不備や問題はむしろイノベーションの原動力である。その意味で例えばエストニアはとても革新的で新しい技術をどんどん取り入れている」と回答した。
【次ページ】ピーター・ティールがPayPalを創業し、売却した理由
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