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- 2015/01/19 掲載
楽天TBS買収、ソニーとドコモの凋落を三木谷浩史氏、久夛良木健氏、夏野剛氏が語る
プレステの大ヒットで無茶ができなくなったソニー
モデレーターの一橋大学イノベーション研究センター教授 米倉 誠一郎氏は、久夛良木氏に向かって「本来ならばソニーはコンピュータ・エンタテインメント(以下、SCE)で世界を変えられた。なぜ久夛良木さんがソニーで生き残れなかったのか?」と質問を投げかけた。
これに対し、久夛良木氏は自身を「人徳もサラリーマン力もなかった」とし「サラリーマンに共感できなかったが、それ以上にソニー自体がやんちゃだった。当時はコンピュータ・エンタテインメントをつくり出すことが楽しかった。夢を実現するためのチーム力も最高だった」と回想した。
プレイステーションの大ヒットにより、ソニーは徐々に無茶ができなくなったという久夛良木氏。何かやろうとすると周りが大騒ぎしたという当時のエピソードを語った。
米倉氏は「もし1990年半ばに戻るなら、ソニーでどういうことをやりたかったか?」と問うた。久多良木氏は「次世代のコンピュータ・エンタテインメントをやりたかった」とし、次のように説明した。
「プレイステーションをネットにつなげて実態をなくし、いまでいうクラウドに溶かしたいと考えていた。いろいろなベストプラクティスを持ち込もうとしたが、自分たちの技術をプレイステーションに出したくないとか、プレイステーションをつぶすために似て非なるものをつくろうとか、やっかいなことになった。なるべく本社に触れず、距離を置こうという時期があったのは不幸だった」(久夛良木氏)
夏野氏が当時提案した「iモードのOSをAndroidに」
夏野氏は「iモードが登場した頃の通信業界は世界一だった。当時、グーグルのエリック・シュミットに『世界中を日本のような状況にしたいので、ケータイ用のOS(Android)を自分たちで開発して配布しようと思う。我々に力を貸して欲しい』と言われた。そこで『iモードをAndroidに切り替えよう』とドコモ社内で言うと、すごく抵抗された。iPhoneもAndroidも日本がモデルであり、(ドコモが)世界標準が実現できなかったことが最大の失敗だと思う」と語った。
また、夏野氏はNTTドコモを辞したきっかけが「iPhoneの登場である」と語った。
米倉氏は「しかし、iモード時代には海外企業も何社か買収したのでは?」と話を向けると、夏野氏は「なぜかiモードのために投資したことになっていた。自分はまったく意思決定に関わってない。成功すると、失敗まで押し付けられることを良く学んだ」と全否定した。そして自分にとっての最大の失敗は「ドコモを辞めるときに戦犯たちを一緒に辞めさせらなかったこと」と言い放った。
【次ページ】TBSの買収は「正義感に固執した」結果
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