- 会員限定
- 2025/02/28 掲載
「叱れない上司」必読、パワハラにならない叱る極意“3つの心がけ”“日頃のほめ活”
ほめる:叱る=5:1、超有効な「陰ほめ」とは
どんなに相手の成長を願って叱っても、叱ることばかりでは部下にネガティブな感情が生まれかねない。そこで意識してほしいのが、「叱る」と「ほめる」はセットということだ。まず比率に関しては、「ほめる:叱る=5:1」が目安。これは1回叱るのであれば、5回ほめることを目指すという考え方だ。ただし「今日は1回叱ったから、5回ほめておこう」といった表面的なものではない。大切なのは、上司自身が日頃から部下の良いところを見つけ、惜しみなく伝える習慣を持つことだ。
ほめる場面を増やすためには、「陰ほめ」を有効活用してほしい。「陰ほめ」とは言葉の通り、本人のいないところでほめる行為のこと。たとえば、Aさんをほめたいときに直接ほめるのではなく、あえてBさんに話す。するとBさんが何かの拍子に、「そういえば〇〇さんが、Aさんは責任感があるから安心して資料作成を任せられるとほめていたよ」と話すときがあるはず。これが陰ほめだ。
もちろん「君は責任感があるね」と直接ほめられるのも、うれしいもの。しかし伝え聞きの形で耳にすると、不思議なことに喜びが増す。なぜなら、人は当事者が発信する情報よりも第三者を通じて伝えられる情報の方を信頼しやすい、という心理的傾向があるのだ。これを「ウィンザー効果」と呼ぶ。
普段から部下を直接ほめるだけでなく、良い点をほかの人にも伝え、間接的にフィードバックできる機会を増やそう。陰ほめを活用することで部下は自信を育み、「上司はいつも自分の努力を見てくれている」という実感を持つようになる。
部下との間に信頼関係を築けていれば、叱るときも「自分の成長を本気で応援してくれている」と相手に感じさせることができ、指摘やアドバイスを素直に受け入れてくれやすくなる。結果として、叱ることが部下のやる気や行動変容につながる、ポジティブな経験となるだろう。
部下を叱るという行為は、成長を願い、改善点を伝えるための大切なコミュニケーションだ。成果につなげるためには、部下自身が課題や問題点を自覚し、自ら行動するよう働きかける必要がある。そのためにも、叱るときには次の3つを心がけよう。 【次ページ】叱るときの「3つの心がけ」と具体例
関連コンテンツ
関連コンテンツ
PR
PR
PR