- 会員限定
- 2025/02/12 掲載
【単独】ソニー元CEO平井氏に聞いた、「ダメ上司」の下で“圧倒的”成果を出す秘訣
平井氏が考える「いい上司」の定義
![photo](https://www.sbbit.jp/article/image/155832/330_bit202501101717598367.jpg)
会社で昇進していく人は、「売上を上げた」などの業績を残して昇進していきます。ただこれはあくまでも、会社と昇進する側のロジックであって、部下の側が上司に求めるものとは異なります。
部下が上司に何を期待しているかについてアンケート調査をしてみると、たとえば「自分の意見や考えに耳を傾けてくれる」だとか、「明確な判断をしてくれる」「気分の浮き沈みがない」「明確なアドバイスをしてくれる」などに期待していることが分かります。
スポーツを例にすると分かりやすいと思います。たとえば野球選手で現役時代にホームランを何本打ったとしても、監督になって「俺はホームラン何百本打った」というのは、選手からしたら「それは良かったですね」というだけの話なのです。選手に関心があるのは「どうやって優勝に導いてくれるのか」「どう自分を成長させてくれるのか」ということだけです。
つまり、部下は必ずしも「上司が仕事をできるかどうか」には期待していないわけです。
「ダメ上司」をたくさん見てきた
会社視点では、「仕事ができたからリーダーに昇進させる」という理屈で動いているのですが、そのことと、部下がリーダーに求める要件というのは基本的に異なります。こういうミスマッチは会社の至るところにあって、上司になった側がこれを勘違いしていると、永遠に溝は埋まりません。結局、「俺は営業実績が全社でナンバーワンだった。だから言うことを聞け」になってしまうのですね。そうすると、その瞬間に部下は「そんなことはまったく期待していないのに、この人は何を言っているのか」となってしまうのです。
私も長い間、サラリーマンをしていましたから、そうした勘違いをしている「悪い上司」「ダメ上司」というのをたくさん見てきました。「部下の意見をまったく聞かない」「公平公正に判断しない」「明確な判断をしない」「気分の浮き沈みがある」といったことで、相談にも乗らないし、仕事も任せてくれない。それから、「うまくいくと自分の手柄にして、失敗すると全部人のせいにする」という人もいましたね。
部下も人間ですから、そういった上司の下では、やっぱりモチベーションややる気というのは上がらないですよね。やはり、肩書きに頼った上司になった瞬間に人はついてきません。ひいてはその上司の部や課、グループは業績も上がらないわけです。 【次ページ】いい上司/ダメ上司をわける「EQ」とは?
関連コンテンツ
関連コンテンツ
PR
PR
PR