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  • 2021/09/08 掲載

「海外ETF」はホントに良いのか?楽天証券・篠田氏が選ぶ「おすすめ10銘柄」とは

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近年、投資家の注目を集めるETF(上場投資信託)だが、本記事では、日本国内の取引所に上場している「国内ETF」と、外国の法令に基づいて外国で組成された「海外ETF」の仕組みや実力を比較したい。

執筆:楽天証券経済研究所 ファンドアナリスト 篠田 尚子

執筆:楽天証券経済研究所 ファンドアナリスト 篠田 尚子

慶應義塾大学卒。銀行にて個人向け資産運用相談業務、投信評価会社にて投資信託の評価・データ分析・市場調査等のアナリスト業務に従事したあと、現職。新聞やマネー誌等各種メディアで投資信託についての多くのコメントを手掛けるほか、投資教育にも積極的に取り組んでいる。

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国内籍ETF、外国籍ETF、どちらが良いのか?
(Photo/Getty Images)

国内ETF、海外ETFの違い

 ETFとは、Exchange Traded Fundの頭文字を取ったもので、日本語の正式名称は「上場投資信託」という。

 特定の指数に連動すること目指すという商品性は、一般的な投資信託のインデックスファンドと変わらないが、ETF(上場投資信託)というその名称の通り、証券取引所に上場しているという点に大きな違いがある。つまり、取引所で取引が行われる立会時間中であれば、いつでもリアルタイムの価格で売買ができるというのが、ETF最大の特徴だ。

 次にETFの区分について、まずは以下の図を参考に整理していきたい。

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国内籍ETFと外国籍ETFの違い(出典:筆者作成)

 ETFには、日本の法令に基づいて日本で組成され、日本国内の証券取引所に上場している「国内籍ETF」と、外国の法令に基づいて外国で組成された「外国籍ETF」がある。このうち外国籍ETFはさらに日本の取引所に上場している銘柄と、外国の取引所に上場している銘柄に分けられる。

 日本の取引所に上場している外国籍ETFは、日本円で取引を行い、外国の取引所に上場している銘柄は、現地通貨(例:米国ETFなら米ドル、シンガポールETFならシンガポールドル)で取引を行う。

なぜ、海外ETFに人気が集まるのか?

 近年は、米国株式の人気の高まりとともに、後者の外国株式市場に上場する、いわゆる現地通貨で取引をする「海外ETF」に興味を持つ投資家が増えている。

 海外ETFの魅力はなんと言っても、銘柄数の豊富さにある。S&P500指数やナスダック100指数といったメジャーな株価指数だけでなく、少々ニッチなテーマや業種の関連指数に連動する銘柄も多く展開されているほか、後述するアクティブ型ETFなどもあり、特に投資中上級者の人気が高い。

 先述した通り、海外ETFは外国株式の取引と同様、決済に現地通貨(外貨)が必要となるが、最近は多くの証券会社で、日本円の買付余力で海外ETFを直接購入できる「円貨決済」のサービスが展開されている。外貨を保有していなくても、日本円で直接決済ができるという利便性の高さはあるが、取引の都度、為替手数料がかかり、交換時のレートも自分で決めることはできないという点には注意したい。

 なお、手元に米ドルなどの外貨を保有している場合は、海外ETFの注文時に「外貨決済」を選択することで、手持ちの米ドルをそのまま活用できる。外貨建て保険や外貨預金の満期金など、「塩漬け」状態の外貨を有効活用する方法として、海外ETFの購入を検討しても良いだろう。

 それでは、ここからは国内ETFと海外ETFの実力を比較していきたい。


国内ETFの実力は? 銘柄選びの基準は?

 詳しくは後述するが、国内ETFは、東京証券取引所の上場審査基準上、原則として何らかのインデックスに連動する仕組みである必要がある。このため、国内ETFとして東証に上場している銘柄は、基本的にインデックス連動型ということになる。

 具体的な銘柄は、東京証券取引所のサイト上にある、「(ETF)銘柄一覧」から確認できる。

 かつては、日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)への連動を目指す国内株式型が大部分を占めていたが、近年は、外国株式や商品(コモディティ)のほか、ESG関連のテーマ型ETFもラインナップされ、選択肢が格段に増えた。

 インデックス連動型は、基本的に指数が対象とするマーケット全体に投資をすることと同じ意味を持つため、「マーケットメイク制度」の対象になっているかどうかを、銘柄選びの1つのポイントとして役立てても良いだろう。

 「マーケットメイク」とは、流動性の供給を目的として、「マーケットメイカー」と呼ばれる専門業者が継続的に売り気配および買い気配を提示することを言う。流動性の少ないETFは、「流動性コスト」(取引が成立しにくいなど、流動性が少ないことによって余計にかかるコスト)が想定以上に大きくなってしまい、せっかくのETFならではの取引手数料が低いというメリットを打ち消してしまう懸念がある。

 そこで、マーケットメイクを行い、投資家がETFを「買いやすく」するのである。米国をはじめとするETF市場が成熟した国では、従前よりマーケットメイク制度が活用されていたが、日本でも、2018年7月にようやく導入された。

 なお、すべてのETFがこのマーケットメイクの対象になっているわけではない。そのため、マーケットメイクの対象となっている、流動性が担保されたETFを選ぶと良いだろう。なおマーケットメイクの対象になっているETF銘柄は、「東証マネ部!」のサイト内で確認できる。

 同サイトによると、直近2021年8月1日時点では、156銘柄がマーケットメイク制度の対象となっている。ETF投資が初めてという人は、先述した東証のサイト上にある「銘柄一覧」から、「マーケットメイカー」と「長期投資向け」の双方に印(●)が付いている銘柄を選ぶと良いだろう。

【次のページ】海外ETFの実力は? おすすめ10銘柄を解説

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