- 会員限定
- 2022/12/22 掲載
暴落した今こそ考えたい「暗号資産の危険性」、今後投資するうえでの注意点は?
投資対象としての特徴
ビットコインの誕生は2009年1月に遡る。「Satoshi Nakamoto」(サトシ・ナカモト)と名乗る匿名の人物が前年に発表した論文が基となり発足・流通が始まった。折しも当時は、世界的な金融不安が台頭し、政府・中央銀行に対する不信感が募っていた時期と重なり、法定通貨に対するアンチテーゼとして誕生したという側面もある。言い換えれば、暗号資産は政府の発行の裏付けがない「通貨」なのである。
このように、ビットコインは政府が管理しているわけではないため、第三者(「マイナー」と呼ぶ)がマイニング(=採掘)を行うことで取引を管理し、これによって新たなビットコインのブロックがネットワーク上に発行される仕組みとなっている。
ただし、ビットコインの総発行量は2140年までに2,100万ビットコインと決められており、残りの採掘可能なビットコインはすでに200万を切っている。このように、供給量に限りがあり、希少性が高く、インフレに対抗できるという点は、金(ゴールド)に通ずるところがある。
ビットコインの「価格の決定要因」
では、ビットコインはインフレが起きないのか、というとそういうわけではない。ビットコインに限らず、暗号資産そのものの相場はあくまでも需給によって決まる。ただ、ビットコインがユニークなのは、「半減期」と呼ばれるインフレを抑制する仕組みが備わっていることだ。これは、ネットワークに供給されるビットコインの量が4年ごとに半減することにより、ビットコインの価値が保たれるという仕組みだ。より厳密に言えば、先述したマイニングの1ブロックあたりの報酬が半減するのだが、この一連のプロセスは2,100万ビットコインすべてが採掘されるまで続く。
- 2009年1月3日:50BTC
- 2012年11月28日:25BTC
- 2016年7月9日:12.5BTC
- 2020年5月11日:6.25BTC
- 2024年?月?日:3.125BTC(予想)
法定通貨の世界では、政府・中央銀行による貨幣供給量の増加がインフレを引き起こす要因となりうるのに対し、ビットコインは、総供給量が決まっていることから、半減期によって希少性を保ち、インフレによる減価を防いでいるのだ。
ビットコインの価格もこの半減期のサイクルに合わせて変動する傾向があり、過去の実績を振り返ると、半減期から価格が底をつけるまでは約2年から2年半程度。直近の半減期が2020年5月だったので、今年6月の急落で底をつけたと見るかが1つの目安となるだろう。こうした価格変動の特性を覚えておくと、ビットコインに投資するタイミングを掴みやすくなるかもしれない。ただし、ビットコイン投資には大きなリスクもある。ここからは、暗号資産投資の注意点を解説していく。
【次ページ】暗号資産投資の危険性、限度額はいくらが適正?
関連コンテンツ
PR
PR
PR