- 2009/12/01 掲載
【セミナーレポート】経営強化のキーソリューション「Fit-ONE」~IFRS対応とBIによる見せる化も実現!
経営を強化する基幹システム
攻めのIT投資に備える
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まず拮梗原氏は、同社のアンケート結果をベースにIT投資動向を追いながら、「売上が500億円以上の企業では、運用保守分野の投資を削減し、浮いた分のお金を新規開発分野へのIT投資に回しています」とし、「競合他社に遅れを取らぬように攻めの投資をすることが重要です」と強調した。さらに同氏はIT投資を細かく分析し、「営業・販売系など、売上・利益向上に直結する分野に最も力点が置かれています」とした。また景気回復局面では経営側のIT活用への期待も大きなものがある。同氏は「IT活用を目先の合理化や省力化のツールとして考えるだけでなく、業務の見える化などプロセス全体を捉えるものとして再認識する必要があります」と指摘。「従来よりCIOやシステム部・課長に業務目線や経営視点が強く求められるようになりました」と説明した。
次に拮梗原氏は、今後注目すべき4つのトレンドについて簡単に解説した。1つ目のキーワードは「クラウドコンピューテイング」だ。今や誰も知る流行語だが、同氏は「クラウドは一時的な流行りではなく、今後も進展する技術。企業情報システムをクラウド化する際には、すべてをクラウド化するのでなく、自社システムを活かしながら、ネット上のIT資源を適所で取り込む“共存”の方向で進めることが現実的です」と述べた。
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自社システムとの共存する関係でクラウドコンピューティングを 導入するのが現実的な解だという |
2番目のキーワードは「仮想化」だ。PCサーバ上で仮想化が実現できるようになり、クラウドや自社システムでの運用の幅が広がった。仮想化のメリットは、「サーバ統合」「古いOSやアプリケーションの延命」「リソースの有効活用」にあるが、「PCサーバで仮想化を利用する際に、動作保障やライセンス・コスト面で今後の課題も残ります」と指摘した。
拮梗原氏が3番目のキーワードとして挙げたのは「国際会計基準」(正確には国際財務報告基準)(以下、IFRS:International Financial Reporting Standards)だ。IFRSとは、民間の国際会計基準審議会・IASBによって策定作業が行われている国際標準の会計基準のこと。企業のグローバル化による資金調達面で、海外の投資家が財務実態・業績を公正に判断・評価できる「統一の物差し」として生まれたもので、日本では本年6月に金融庁がロードマップを公表し、2010年に任意適用を、2015年か2016年には強制適用を判断する方向で話が進んでいる。拮梗原氏は「まだIT部門担当の関心は高くないが、今からIFRSについて情報収集し、ITシステムへの影響などについて準備しておく必要があります」と指摘した。
最後のキーワードは「コンシューマIT」だ。これは2000年を境に、従来のエンタープライズITに取って代わって活用が一気に進んだもの。さらに前述のクラウドコンピューティングがコンシューマITの活用を加速するとし、「今後、企業のビジネスはコンシューマITが前提となり、企業システムの対応が迫られるでしょう」と予測した。
Fit-ONEで迅速・低コストに構築
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基調講演で説明されたように、実際にIFRSの強制適用が想定されるのは2015年か2016年。まだ時間があり、取り扱い項目も完全に決まっておらず、子会社には関係がないと考えている担当者が多いかもしれない。しかし、立石氏によれば「IFRS基準への移行期間は最低でも2年が必要で、思っているほど時間的な余裕はありません。また、取り扱い項目が徐々に変わるため、その都度対応しないと決算を報告できません。さらには、子会社でも親会社の連結決算の関係で収益認識基準など会計処理の変更を余儀なくされます」という。もし2015年度から強制適用となる場合には「今から準備しておき、少なくとも2012年度には対策を終えておかなければ間に合いません」(IFRSの報告書は前年度との比較が必要なため、1年前倒しで考えておく)とのことだ。
では企業のITシステムにIFRS対策を組み込むためには、具体的にどうすればよいのだろうか?日立ソフトウェアエンジニアリングではIFRS対策を契機に、企業経営のさらなる強化を実現する販売・会計統合ソリューション「Fit-ONE」を提案しているところだという。これは同社の開発フレームワークをベースに、複数のコンポーネントや専用テンプレートを組み合わせることで、販売・財務会計システムなどを短期かつ低コストで構築するセミオーダー型のトータルソリューションだ。「Fit-ONE」は販売管理システムや会計システムを中核に、EDI、CRM/SFA、BI、生産管理、WMS、ドキュメント管理などの幅広い補完ソリューションと連携することが可能だ。
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IFRS対応のERPシステムを迅速・容易に構築できる「Fit-ONE」の構成。 開発フレームワークと複数のコンポーネント、テンプレートを用意 |
立石氏は「商社や卸売業など、業者独自の強みを活かしながらシステムを構築でき、今後変化が生じるIFRS要件にも柔軟に対応する販売管理・財務会計システムをつくることが可能」とソリューションの特徴について説明した。同社が長年培ってきた基幹システム構築ノウハウを活かし、コンサルティングの段階から、システム開発、実装、定着までをワンストップで提供するそうだ。なおIFRS適用のコンサルテーションについては、ビジネスブレイン太田昭和が担当するという。IFRS対策を考える上で、「Fit-ONE」によるシステム構築は大きな武器になりそうだ。
データ積極活用の「見せる化」へ
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まず鍋野氏は、「今後の景気回復をにらみながら、価格・製品・商流を見極める新しい“攻めの取り組み”が必要です」と説いた。そのためには従来の経験と勘に基づく経営から、客観的なデータに基づく経営に移行することが重要であり、時流にあわせて機敏な対応ができるように経営指標をタイムリーに「見える化」することが成功のポイントになるという。
たとえばビジネスインフラとして、ERPを導入している企業は多いだろう。しかし、部門間の情報共有や情報管理収集といったERPの有効性は認めつつも、一方で投資対効果に満足している企業は少ない。鍋野氏によれば、その原因はERPに蓄積された膨大なデータを業務に活用しきれていないところにあるという。先の「Fit-ONE」では、データを十分に活用するために、高速かつ高度なデータの絞り込み検索や、在庫照会、長期滞留在庫、最小在庫数などの管理機能を備えている。さらに、これらのデータを現場で有効活用するためには「さまざまな角度からデータを分析し、見える化を現場で実現できる使いやすいBIツールがポイントになります」と鍋野氏は言う。
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「Fit-ONE」とBIツールの連携。「Fit-ONE」で蓄積した膨大な データから、BIツールを利用して見えない発見や分析を行う |
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ウィングアークテクノロジーのBIツール「Dr.Sum EA」のデモ。 見積り総額と売上金額の比較グラフ。SAPのデータを突き合わせたもの |
デモ終了後、鍋野氏は「シンプルかつ高速なデータ集計の機能、構築の手軽さ、現場で使える容易さ」という情報活用のキーポイントとなる要件を示した。これらを満たすことで、現状のERPを活用した「見える化」→現場との「危機感共有」→現場主導の「見る力」の強化→現場から情報をプッシュ発信する「見せる化」へと全社的な展開を図ることができる。これらの情報を共有し、経営側の意思を迅速に伝え、その一方で現場側の情報を経営側がリアルタイムに取り込める体制を整えることで、攻めの「見える化」が実現できるという。
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