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政府・日銀が過度な円安を防ぐ為替介入を実施するなど、円安が日本経済に大きな影響を及ぼしている。為替の変動にはメリットとデメリットがあり、どの程度の水準が妥当なのか決めるのは難しい。だが日本のモノ作りという部分に焦点を絞ると1ドル=150円というのは1つの目安になる。
円安はメリットなのかデメリットなのか?
年初に1ドル=110円台だったドル円相場は、その後、急ピッチで円安・ドル高が進み、9月22日には1ドル=145円を突破した。円安のペースが加速していることを懸念した政府・日銀は、同日、24年ぶりとなる為替介入を実施。一時的に5円ほど円高に戻したものの、それ以上の効果は見られなかった。
日本では長く、円安は経済にとってメリットが大きいと言われてきた。円安になれば、輸出企業の収益が拡大し、賃金や国内取引先への支出増大によって、最終的には国内消費が増えるというメカニズムである。だが、日本の製造業の多くは生産拠点を海外に移しており、海外の現地法人が受け取った代金は国内に還流しなくなっている。このため、円安によって決算書上の収益は増えても、マクロ経済的には大きな効果をもたらさない。一方、輸入品の価格上昇によって消費者の生活は苦しくなっており、どうしても円安のデメリットが目立ってしまう。
輸出を行う製造業にとっても、必ずしも円安が得策とは限らない。
円安になれば輸出した分の売上高は増加するが、輸入のコストも増える。国内で販売する分については、円安によるコスト増を価格に転嫁できなければ、逆に収益悪化要因となる。また、今回のように物価上昇(インフレ)が進んでいる場合、輸出製品の価格を上げられないと、輸出価格と輸入価格の比率(交易条件)が悪化して富が海外に流出してしまう。
いくらの為替レートが適性なのかについては、国内の購買力がどの程度なのか、輸出企業の国際競争力が高いのか、低いのかによって大きく変わってくる。
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