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- 2020/07/30 掲載
なぜゴールド買いが止まらない?価格上昇の理由をわかりやすく解説する
金価格と株価が同時に上昇する異常事態の背景
ハイテク株で構成される米NASDAQ総合指数が史上最高値を更新し続ける中、もう1つ高値を更新している資産がある。それは「金」だ。どれだけテクノロジーが進化しようと、未知のウイルスの蔓延によって人々の生活スタイルが変わろうと、金という資産が持つ安定感は昔から変わらない。また、世界的に有事ムードが高まり、株式市場が不安定な動きを見せるようになると、安全資産としての金に注目が集まる、という傾向も依然変わらない。
足もとの金価格の上昇もやはり「有事の金」によってもたらされている現象なのだろうか。
一般的に、金価格は株価や米ドルと逆相関の関係にあるとされる。そのため、新型コロナウイルスという未知のウイルスの蔓延が「有事」であるなら、金価格が上昇する一方、株価は下落しているはずだ。しかし、今回はそのセオリーに反して金価格と株価が同時に上昇している。
その背景には、世界的な金融緩和政策の影響がある。欧米の各国が、金利の引き下げと資金供給という大規模な金融緩和政策を打ち出したことで、金利の付かない資産である金の投資妙味が増したと同時に、代替通貨としての需要も増大したのである。
新型コロナウイルスの収束が見通せない中、今後すぐに金利が上昇に転じるとは考えにくく、当面は金相場にとって追い風ムードが続くと見られている。
金投資の選択肢が広がった理由とは
それでは、個人が金に投資する場合、どのような選択肢が考えられるのか。たとえば、金価格の値動きをダイレクトに享受する方法としては、純金積立やETF(上場投資信託)といった方法がよく知られているが、近年は投資信託を通じた金の保有という選択肢も増えている。投資信託なら、ネット証券を中心に最小100円から投資ができ、金投資の「入門編」として取り入れやすい。
2020年7月現在、金を投資対象とする投資信託の商品ラインナップを見ると、国内には10本(投資一任口座専用を除く)あり、そのすべてが2011年以降に設定された商品であるなど、比較的新しいものが多い。
この背景には、国内・海外双方の商品先物に直接投資する投資信託の解禁や、金現物連動型ETF『SPDRゴールド・シェア』の東京証券取引所上場など、2008年前後を境に、金投資の選択肢が広がったという事情がある。
金投資の選択肢が広がる中、どのような銘柄をどのような基準で選べば良いのだろうか。金に関連する各銘柄の純資産総額や騰落率などを比較しつつ、それぞれの特徴を解説したい。
【次ページ】国内の金関連商品10本の特徴を比較
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