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- 2008/11/18 掲載
「金融危機後、企業の常識が変わる」今、企業に求められるリスクマネジメント-RSAセキュリティ 社長 山野氏
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「短期間に世界的な金融危機が訪れるなど、次の状況を想像するのが難しい時代を迎えていると思います。そんな環境の中でビジネスを継続していくためには、非常に広い範囲でのリスクマネジメントが求められるようになるでしょう」
急速に発展してきたIT技術を安全に使い続けていくことは、ビジネスを継続していく上で欠かせないものだ。しかし、それだけを考えていればよいのではないと山野氏は指摘する。アメリカのサブプライムローン問題に端を発した今回の金融危機は、世界のビジネスシーンにおける地盤沈下的なリスクであり、大手証券会社や保険会社でさえも破綻する現実というのはそうしたリスクに対処できなかったためだ。これまで、ほとんどの企業では、経済が安定しているという前提でビジネスが展開されてきた。しかしこれからは、世界的な経済状況におけるリスクにも目を向けなければならなくなる。
2001年9月11日、同時多発テロの発生によりテロ対策の必要性が世界の常識となった。それと同じように今後は事業継続の視点でも大きなパラダイムシフトを迎えるだろうと山野氏は予想する。今後、リスクマネジメントという言葉が示す範囲は、より広く企業活動を支えるものとして認識されていくだろう。
とは言え、ITにおけるリスクマネジメントの意味が軽くなる訳ではない。むしろ、世界的なリスクに対してITが持つ重要性は高まっている。あらゆる分野でシステム化が進んだために、ひとつの問題が世界に波及するスピードは速くなる一方だ。では逆に、システムでリスクの発生やリスクの拡大を防ぐことはできないのだろうか。この問いに、山野氏はこう答える。
「すべての局面をシステム化できる訳ではありません。IT系で運用すべき部分と人間系で運用すべき部分があります。その中で、IT系で運用すべき部分においてはリスクマネジメントはかなり進んできていると感じています。これから対策が重要になるのは、やはり人間系で運用すべき部分でしょう」
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