リーダーシップのスキルは学べるものである

　アメリカン・エキスプレスは、アメリカン・エキスプレス財団を通じ、「文化遺産の保護」「明日のリーダー育成」「地域社会への貢献」をテーマにしたグローバルな支援活動を実施している。今回紹介するアカデミーは、この中の「明日のリーダー育成」に関わるもの。同社は、「世界で最も尊敬されるサービスブランドになる」というビジョンを掲げ、「新入社員から社長まで、社員一人ひとりがリーダー」「リーダーシップのスキルは学べるものである」という考え方を基本に、社内でリーダーシップ育成に注力し、各界に優秀な人材を輩出してきた。この姿勢を社内のみならず、社会で活躍するNPOリーダーや起業家にも向け、「アメリカン・エキスプレス・アカデミー」として提供している。3回目の開催となった今回は、東京大学i.schoolエグゼクティブ・ディレクターの堀井秀之教授、丸善CHIホールディングス代表取締役の小城武彦氏、MODIVA JAPANの孫泰蔵氏（本カリキュラムの監修担当）など、リーダーシップやイノベーションの分野で著名な講師陣が登壇した。

　アカデミーでは、アメリカン・エキスプレス・インターナショナルのプリペイド・トラベル・ペイメンツ 日本/アジア・太平洋地域 副社長 菊池邦夫氏も、「アメリカン・エキスプレスが考えるリーダーシップ ～リーダーとして成功するための行動特性～」と題して講義を行った。本稿ではこの講義について詳しく紹介したい。

アメリカン・エキスプレスが推奨する4つのリーダーシップモデル

　まず始めに菊池氏は、アメリカン・エキスプレスのリーダーシップモデルについて説明。同社では、社内で活躍しているリーダーたちの行動を分析し、なぜ彼らが成功できたのか、その秘訣を探った。そして36個の行動特性を見出したが、これらを8個までに絞り込み、これらをリーダーシップモデルとして4つに大別したという。菊池氏は「これはアメリカン・エキスプレスが独自に開発したコンピテンシーであるが、すべての業種について適用できる優れたものだ。ぜひ自分たちで試して応用していただきたい。きっと納得できることがあると思う」と強調した。

　リーダーに求める具体的な行動としては、未来を創る「Create Our Future」、自分のチームや組織を最強化する「Inspire Our People」、顧客の期待を超えるサービスを提供して驚かす「Excite Our Customers」、約束した結果を出す「Deliver on the Promise」という4つの類型がある。以下、これら4つの類型と8つの要素について紹介する。アメリカン・エキスプレスと表記されているところを、自社に置き換えて考えるとよいだろう。