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- 2024/03/12 掲載
なぜ「他人からの助言はNG」なのか、激動すぎる国際情勢でも“失敗しない”投資戦略
今後「ハイリスク」な投資とは
債券に投資する際、まず注意すべきは発行体の信頼性だ。予定通りに利子が支払われ、元本が償還されるかが最も重要なポイントとなる。
そして次に重要なのは、金利が上昇するかどうかだ。金利が上昇すれば、新たに発行される債券の利率が高くなるので、過去に低い利率で発行された債券の価値は下がる。その結果、時価が急落するリスクもある。
2008年のリーマンショック後、各国は債務を過剰に増やし、さらにコロナショックによる財政出動で債務は大幅に積み上がった。
現在、さまざまな発行体が債券を発行しているが、景気が減速する中で金利が上昇すれば、多くの債券の評価が下がるだろう。
債券バブルがはじけたら、最悪のバブル崩壊となり、世界中の人々が甚大な損失を被ることになる。大規模な債券バブルが崩壊に向かう危険性を考えれば、債券よりも株式に投資するのがベターといえるだろう。
金は果たして有用なのか
では、金や銀はどうか。世界情勢が不安定な時期は、世界中の人々が資産防衛のために、実物資産である金や銀を買う。
ドルや株式、債券などの金融資産との違いは、金や銀自体に価値があることである。 株式は会社が倒産すれば無価値になるかもしれないが、金が無価値になる心配はない。実物資産の中でも流動性が高く、売買しやすいことも人気の理由となっている。
新型コロナウイルスのパンデミックが世界中を覆ったとき、株式市場は乱高下したが、金の価格は上昇し、記録的高値を付けていた。
その後、ウクライナ戦争や緊迫するイスラエル・パレスチナ情勢の影響もあり、金の価格は堅調に推移している。比較的安全な資産として金を買う動きが世界的に広がっている。
イスラエル・パレスチナ情勢がさらに悪化すれば、金の価格がより一層上昇する可能性もある。
金を保有する「ある目的」
かくいう私も金が好きだ。大切な2人の娘に資産を残すなら、金が最も適切であろうと思っているし、誰もが保険のために金を所有すべきだと考えている。私は、実は2010年~19年夏まで金を保有していなかったが、価格が下落傾向になったときに買い始め、今も保有している。
金は個人的に災害に見舞われたときの保険代わりにもなるし、国に自然災害や経済的な災害が発生したときにも保険として機能する。
金は、国際的に価値が認められているし、簡単に持ち運びもできるし、多くの災難を乗り越える助けにもなる。だから私は金を持っている。
金の相場に詳しい人であれば、価格が下がっているときに金を買い、上がったタイミングで売ることで大金を手に入れることができるかもしれない。しかし、私は金を売り買いして利益を上げようとは考えていない。
あくまでも災害から資産を守るために金を保有しているのだ。 【次ページ】他人からのアドバイスは「NG」なワケ
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