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- 2015/02/20 掲載
外国人観光客を地方へ送客するネットの力と効果:篠崎彰彦教授のインフォメーション・エコノミー(60)
国内消費の停滞を補う外国人旅行者の旺盛な消費力
日本政府観光局(JNTO)が1月に公表した『平成26年訪日外客数』統計によると、昨年一年間に、日本を訪れた外国人旅行者の数は1341万人であり、1年前よりも29.4%増加した。しかも、その消費力は旺盛だ。同月発表された国土交通省観光局の『訪日外国人消費動向調査(速報)』によると、2014年(暦年)1年間の消費額は、2兆305億円で、前の年から43.3%も増加している。1月12日に閣議了解された政府の経済見通しによると、日本の個人消費は、消費税の引き上げもあって、2014年度は1兆2千億円減少すると見込まれている。その中で、2兆円以上も支出する外国人旅行者の消費額は、相当大きな影響力がある。
ネット環境の整備が訪日外国人を増やす?
観光立国を推進中の政府は、こうした経済効果を視野に入れて、2020年までに訪日外国人旅行者を2000万人まで増やす目標を掲げており、これを前倒しで実現しようとの声も出ている。その方策の一つとして取り組まれているのが、無料で利用できるWi-Fi(公衆無線LAN)を使った「ネット環境」の整備だ。これには、やや違和感を覚える向きもあるだろう。外に出て行動するのが「旅の醍醐味」であり、ネットの世界で満足するのであれば、わざわざ日本に来る必要はないような気がする。観光とネットとの間には、一体どんな関係性があるのだろうか?
特に最近の外国人旅行者は、いわゆる名所旧跡とされる有名スポットを見物するだけでなく、日本の中の日常生活にも積極的にかかわる「体験型」が増えており、「バーチャル」ではなく「リアル」な活動にこそ意義がある。
ところが、そうであるがゆえに、逆に「ネット環境」が重要になってくるのだ。
ガイドブックと地図に代わる必需品とは
連載の第52~55回でみたように、今や携帯電話は途上国も含めてグローバルに行き渡っており、日本へ訪れるような外国人は、ほぼ全員がスマホやタブレットを使っているとみて間違いないだろう。
そして「体験型」で「行動的」であればあるほど、名の知れた観光地だけでなく、穴場のスポットや旬なお店などを探して活動することになる。
しかも街の様子や交通手段は、どんどん変わっていく。古い情報ではなく、まさにリアルタイムで、何がどこで行われているか、どのルートで移動すればいいかといった、きめ細かな情報をネットで確認して行動する傾向が強まっているのだ。
【次ページ】Wi-Fiの整備が新たな観光客を連れてくる理由
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