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- 2020/12/22 掲載
総務省の「電波政策」、知っておくべき5つのポイントとは? 篠崎教授のインフォメーション・エコノミー(第129回)
篠崎教授のインフォメーション・エコノミー(第129回)
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注目される「電波」の価値
2020年は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大によって世界の景色が一変した。多くの国々でロックダウン(都市の封鎖)や厳しい行動制限措置が取られ、人々の交流のあり方は抜本的な変容が迫られた。コロナ禍で一気に広がった「遠隔◯◯」は、「離れてしまう」ことを意味するのではなく、「離れてつながる」ことを意味している。会社、学校、医療、行政機関の情報化は、それぞれの拠点だけで閉じて完結すれば良いわけではない。「離れてつながる」仕組みは、個人(自宅)の情報化と両輪を成してはじめて機能する。
2020年3月から本格運用が始まった5Gは、それを支える象徴的な基盤だ。長距離移動が制限される中にあって、身の回りの空間では固定されず移動の柔軟性を確保するには、電波の利活用が欠かせない。電波の「価値」が注目される所以(ゆえん)だ。
「電波政策懇談会」の検討事項とは
そうした中、電波政策を担う総務省は「新たな日常の確立や経済活動の維持・発展に必要な社会全体のデジタル変革」に向けて「有限希少な国民共有の資源である電波を有効に利用」し「経済と社会を活性化」すべく「デジタル変革時代の電波政策懇談会」(座長は三友仁志早稲田大学教授)での議論を開始した。座長ほか10名の構成員から成る懇談会の検討事項は、第1に「電波利用の将来像」、第2に「デジタル変革時代の電波政策上の課題」、第3に「新たな目標の設定とその実現方策」だ。
具体的な論点としては、新たなサービス・ビジネス・社会のイメージ、および、電波帯域確保の目標設定のあり方が挙げられている。
構成員の1人として筆者が参加した2020年11月30日の第1回会合では、電波利用に関する現状と課題が示されたのち、検討事項に関連して10名の構成員がそれぞれの問題意識と見解を述べた。
【次ページ】経済面で重要な5つのポイント
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