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- 2011/11/18 掲載
なぜ多様なスタートアップ企業群が大企業に勝るのか(後編):篠崎彰彦教授のインフォメーション・エコノミー(36)
IBMのオープン戦略は正しかったのか?
組織の内と外の資源をどう活かすか
もちろん、連載の第29回でみた「コースの法則」からもわかるように、内部化のメリットが大きい場合は、ヒト、モノ、カネ、情報といったさまざまな経営資源を企業内に囲い込むのが得策だ。それは、企業の巨大化だけでなく、多角化を促す原動力にもなる。なぜなら「範囲の経済性(Economies of Scope)」が生まれるからだ。
範囲の経済性とは、同じ組織の内部にあるさまざまな経営資源を複数の生産活動に応用するほうが、それらを別々の企業で生産するよりも費用が節約できて効率的になることをいう。たとえば、コンビニエンス・ストアは、単にモノを販売する小売店舗としてだけでなく、宅配便の受け渡しや、小口資金の振込み、ATMでの現金の引き出し、コピーやFAXなど、各種の対個人サービスを提供する場として、効率的に収益をあげている。
多角化の論拠となった範囲の経済性
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