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- 2024/02/13 掲載
経済効果「20兆円」の衝撃、TSMC熊本工場が日本復活の“第一歩”である明快理由 篠﨑教授のインフォメーション・エコノミー(第167回)
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TSMC熊本工場がいよいよ開所
前回解説したTSMCによる初の日本工場(熊本県)新設は、着工から1年8カ月のスピードで竣工し、今月24日に開所式が執り行われる予定だ。年内の量産開始に向けて着々と準備が進められている。経済産業省商務情報政策局が2023年6月に改訂した「半導体・デジタル産業戦略」では、国内の半導体生産額(半導体関連の売上高)を2020年の5兆円から2030年には15兆円超に拡大する目標が掲げられた。このうち3兆円は九州が担うとされる。
半導体の需要が今後爆発的に伸びると見込まれるのは、IoT、ロボット、電気自動車などの産業用途だ。そこでは、高水準の性能と信頼性が求められるため、半導体企業には、ユーザー企業との緊密な連携が欠かせない。
その点で、九州には産業革命時代の石炭、造船、鉄鋼から今日のカーアイランド九州まで、歴史的な産業集積があり、多くのユーザー企業が立地している。TSMCの熊本進出を機に九州の潜在力を見据えた取り組みが活発化している。
経済効果は10年でなんと「20兆円」
東京エレクトロン九州、SUMCO、ローム、ソニーセミコンダクタマニュファクチャリングなど多くの半導体関連企業による九州での設備投資がめじろ押しだ。河村・岡野(2024)によると、2030年までに合計72件、総額6兆円以上が計画されている。これらの設備投資が九州地域(九州・沖縄および関門海峡を挟んで隣接する山口県)に及ぼす経済波及効果は、10年間で20.1兆円と推計されている。波及効果は、電気機械、一般機械、非鉄金属などの半導体関連部門(10.9兆円)にとどまらず、消費活動が喚起されるサービス業(2.8兆円)まで幅広い(図表1)。
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