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- 2011/02/14 掲載
自動車のIT化が進展、EV市場とテレマティックスの最新動向
スマートフォン連携がクルマの価値を決める
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中国は2009年に米国を、2010年には欧州を抜いて、今や世界最大の自動車市場となった。その後も2010年から2020年までは、年平均成長率(CAGR)6.5%で拡大する見通しで、2020年には2500万台と「今までに見たこともないとてつもないマーケットになる」(北川氏)という。
そこからさらに10年(2020年から2030年)は、中国は4%の伸びにとどまる見込みだが、今度はインド市場が牽引していくことになる。インドは2010年から2030年まで継続して9.14%の高い伸びを示す見通しだ。
EVには経済合理性を見出しにくい
では、EVは自動車業界にどのような影響をもたらすのだろうか。実際の市場動向について、北川氏は次の視点でシナリオを示した。
まずは「経済合理性」を考えた場合だ。特にLIB(リチウムイオンバッテリー)価格、原油価格、燃費規制の3つが経済性に大きな影響を与えると考えられる(図2)。結論から言えば、これらの価格がどう推移するかにかかわらず、「EV市場は相当保守的にみても2020年には100万台の大台を超える」という。さらに、LIBのWh単価が30円になれば、300万台超えも見えてくるとみる。ただ、現時点では韓国勢が価格破壊攻勢をかけているものの、「(日本勢も含めると)平均50円前後での商談が進んでいる」(北川氏)。
一方で、NRIの消費者意識アンケート(2009年)をみると、昨年のハイブリッド車(HEV)ブームが後押しし、既にHEVユーザーも非HEVユーザーも、HEVへの乗り替えニーズが増している(図3)。こうしたアンケート需要に基づくと、総合的にプラグインハイブリッド(PHEV)やEVへの需要は少ない。「2020年まではHEVを軸として普及が進むのではないか」(北川氏)(図4)。
総括して、「電池産業は大きくなるが、自動車メーカー全体ではコンベンショナルなエンジン(ガソリンエンジン)がメジャーであることに変わりはない」とし、「まだまだ電気自動車の経済合理性を見出すのは難しい」とした。「EVにおいて論点になるのは、コンベンショナルなエンジンがどれだけ効率化するのか、従来あるエンジンをどれだけエンハンスできるのかということ」(北川氏)
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