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- 2019/03/08 掲載
システム思考には何が必要? トヨタ ギル・プラット氏が語る「人を拡張するIA」とは
システムイノベーションセンター(SIC)設立記念シンポジウム
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システムについても「カイゼン」する議論の場が必要
「システムイノベーションセンター(SIC)」は、デジタルトランスフォーメーションの時代で重要な役割を演じているのがシステムであるとしたうえで、そのシステムを構想し、構築し、運用する「システム化」の能力を業界横断的に獲得していくための産業界主導の組織と位置づけられている。SICは、東京大学名誉教授、早稲田大学理工学術院招聘研究教授で、SICの設立発起委員の委員長をつとめた木村 英紀 氏の強い思いからできあがった組織で(SIC理事・副センター長)、木村氏は「IT、バイオ、ナノの画期的な進歩は技術による社会的な課題解決の可能性を格段に高めている。一方、システムは技術と社会の接点。システムを通して技術は社会に接地する」と、システム化を考えるセンターの必要性を訴えた。
そのSICが目標として掲げる目的は以下の5つだ。
1.要素技術に強い我が国の強みを生かしつつ、製造・サービス・経営全般における生産性向上とイノベーションをシステム化に軸足を置いて実現し、システムイノベーションで国際的な競争優位に立つ。
2.超スマート社会実現のための施策をシステムの観点から検討し、必要な施策の提言を行うとともに、その柱となる具体的な社会システムおよびそれらの共通基盤の構築を企業、業種、専門を超えた専門家集団の共同作業として企画・実施する。
3.産学の緊密な連携のもとにシステム思考・システム構築・システム運用に習熟した新しいタイプの人材を経営・技術・サービスの各レベル、各分野で育成する。それを通して会員企業におけるシステム化のリテラシーの向上を目指す。
4.産・官・学にわたってシステム化に関心のある企業、団体、組織の人的、技術的なネットワークを作り、個社で実現困難な新市場創成の機会を提供するとともに、それを通じて新しい「システムビジネス」の創出を支援する。
5.海外のシステム開発を目指す企業や研究機関と緊密な連携を確立し、システムイノベーションの国際的な動向に参画する。
設立記念シンポジウムの冒頭、ファナック 副社長執行役員で、SIC代表理事・センター長をつとめる齊藤 裕氏が登壇し、システムイノベーションの重要性とSIC設立の目的について次のように語った。
「GAFAに代表されるように、新しい企業による新しいエコシステムが構築され、従来のビジネスを破壊している、あるいは世の中を変えてきている。従来の産業界にいる者として、こうした動きは無視できるものではない。それを支えているのがシステムで、モノのカイゼンと同じようにシステムのカイゼンについても議論する場が必要だ」(齊藤氏)
システムの重要性が増す中で、多種多様なオープンイノベーションも活用しながら、システムによるイノベーション、システム化を創出する場としてのSICを目指していくとした。
次に登壇した横断型基幹科学技術研究団体連合(横幹連合)の会長 北川源四郎氏は「文理を超えた横断的な科学技術の推進は社会的発展のカギとなる」と指摘。SDGsやデータ駆動型社会など、人類は歴史的な転換点を迎えているとした。
学術分野でも「理論科学と実験科学が主流だったが、それに計算科学が生まれ、今はさらにデータサイエンスが重視されるようになってきた」という。SICでは社会的な課題の解決に向けた技術とそれにまつわる知の統合、知識展開を実施していくとともに、人材の育成に関する議論を重ねていくと意気込みを語った。
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