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  • 2019/01/29 掲載

トヨタ式カイゼンは次世代へ、これから国内製造業が目指すべき企業はあそこだ

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今、日本の製造業を取り巻く環境が大きく変化している。長く続いてきたトヨタ式カイゼンの時代から、次の時代へとシフトしつつある。そこでキーとなるのが、デジタルマーケティングの文脈で多く語られるものの決して進行しているとは言えない「営業現場の自動化」だ。なぜ今営業現場の自動化が求められているのか。その理由を日本の製造業に今訪れている3つの潮流から解説し、筆者が考える“カイゼン2.0”時代のオピニオンリーダーの名を挙げる。
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「カイゼン」の主体は製造から営業へ
(© beeboys - Fotolia)


第1の潮流 : 担い手となる生産年齢人口の減少

 厚生労働省が公表している一般職業紹介状況では、業種間でも製造業が常に高い有効求人倍率を示す状況が続いている。人手不足は既に製造業において、大きな課題となっているが、残念ながら少なくとも国内では、この潮流は更に加速する見通しだ。

 内閣府が発行する「高齢社会白書(平成30年版)」では、2017年の日本の生産年齢人口(15~64歳人口)は7,596万人だが、2040年には5,978万人と約1,600万人、2050年には5,275万人と更に700万人減少すると言われており、減少傾向は直近の30年の間で急速に進行する。

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日本の年齢別人口分布の推移
(出典: 平成30年版高齢社会白書)

 国内の生産年齢人口の減少が一層深刻化する中で、すでに有効求人倍率が高水準の製造業は特に厳しい人手不足に直面することが予想され、生産性向上は急務な状況がさらに高まると想定される。

第2の潮流 : 国内市場の本格的な「キャッシュカウ化」

 多くの日本メーカーにとって海外売上高は右肩上がりで増加を続けているが、この傾向は今後も続くと考えられる。特にFA業界では2017年の中国等での設備投資特需もあり、三菱電機やキーエンスなどの主要メーカーの海外売上比率は50%を超える状況にまで至っている。こうした中で、各メーカーにおける国内外の位置づけが本格的に変化しつつあると言える。

 単なる、海外市場への投資増大と国内市場への投資縮小の時代から、最小投資で最大利益を追い、国内市場が「キャッシュカウ」(注)化する時代へと本格的に変化していくと考えられる。

(注)キャッシュカウ:市場成長率の低い市場で、高い市場シェアを占める状態。「金のなる木」ともいう。市場成長率が低いため投資があまり必要とされず、また市場シェアが高いため大きな利益を生む。

 「第1の潮流」の人手不足も踏まえれば、日本市場は人材確保ができない前提で最少人数で生産性を向上させ、最大利益を生み、利益をすべて海外市場に投資するというメーカーも多くなると考えられる。こうした観点からも国内における「営業現場の自動化」は進展を見せるだろう。

【次ページ】“カイゼン2.0”時代がやってくる、そのオピニオンリーダーはトヨタではなく……
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