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  • 2025/04/15 掲載

【現地取材】ハノーバーメッセ2025、急増する「データ共有圏のサブ組織」を最速解説

連載:第4次産業革命のビジネス実務論

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インダストリー4.0による産業革命を推進するドイツで毎年開催されている産業見本市「Hannover Messe 2025(ハノーバーメッセ2025)」が、2025年3月31日(月)から4月4日(金)にドイツのハノーバー国際見本市会場にて行われました。最近の製造業における重要キーワードでもある「インダストリー4.0」のコンセプトも、このハノーバーメッセで発表(2011年)されるなど、ハノーバーメッセはデジタル製造技術の進歩を確認する重要なイベントとなっています。今年も、ドイツ現地を訪れた筆者が重要だと考えるトピックについて紹介していきます。
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ハノーバーメッセ2025の入り口の様子
(出典:筆者撮影)

ハノーバーメッセ2025とは何か

 ハノーバーメッセとは、インダストリー4.0による産業革命を推進するドイツで毎年開催されている産業見本市です。

 2025年は、出展企業数4000社(約60カ国)、来場者数約12万7000人(約150カ国)の規模で開催されました。来場者の40%以上がドイツ国外からだったそうです。

 ちなみに、2024年は、来場者は約13万人、出展企業約4000社、2023年は、来場者は約13万人、出展企業約4000社、2022年は、来場者数は約7万5000人、出展社数は約2500社、新型コロナ前の2019年のハノーバーメッセの来場者は約21万5000人、出展社数は約6500社となっています。

 ハノーバーメッセ2024は、以下の展示エリアやカンファレンスステージエリアで構成されています。

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ハノーバーメッセ2025会場マップ

ハノーバーメッセ2025のコンセプト・主要テーマとは?

 もともとハノーバーメッセは、機械工学、電気工学、デジタル産業、エネルギー分野などの企業が一堂に会する場であり、高性能かつサステナブルな産業のためのソリューションや製品を紹介する場ですが、主催団体は、単なるショーケースを展示するだけの場ではなく、産業エコシステムを創造する場であり、変革のホットスポットであるとしています。

 そんな、ハノーバーメッセ2025のメインテーマは「INDUSTRIAL TRANSFORMATION - ENERGIZING SUSTAINABLE INDUSTRY(産業変革 - サステナブルな産業の活性化)」、サブテーマは「SHAPING THE FUTURE WITH TECHNOLOGY」(テクノロジーで未来を切り開く)」です。

 具体的には、相互接続された産業エコシステムを構築し、電化、デジタル化、自動化などによって、気候変動に左右されない産業をいかに実現していくか、を実証するための場とするというテーマがありました。

 そのほか、ハノーバーメッセ2025では、キートピックスとして「AI in Industry (産業界におけるAI)」を掲げています。

 AIはスマートファクトリーの原動力になり得る重要技術であることから、ハノーバーメッセでは、産業界が生成AIをどのように活用できるのか、を考えるキッカケとなるような企業の展示、たとえば、自律型ロボットから生成AIまで、先駆的なテクノロジーをライブで体験できるような展示や発表が行われていました。

パートナー国の制度とは? 歴代パートナー国振り返り

 毎年ハノーバーメッセでは、1カ国に焦点を当て、その国の技術・製品を集中的にプロモーションする制度があります。また、パートナー国に選定されると、その国の政府首脳や企業が招待されます。

 2025年のパートナー国はカナダでした。2026年はブラジルを予定しているとのことです。過去のパートナー国は下記のとおりです。

●ハノーバーメッセの歴代パートナー国(一部)
  • 2015年:インド
  • 2016年:米国
  • 2017年:ポーランド
  • 2018年:メキシコ
  • 2019年:スウェーデン
  • 2020年:中止
  • 2021年:インドネシア(オンライン開催)
  • 2022年:ポルトガル
  • 2023年:インドネシア
  • 2024年:ノルウェー

 2025年のパートナー国であるカナダが掲げたテーマは「The future's here(未来はここにある)」です。

 ドイツ ショルツ首相が参加した前夜祭では、昨今のカナダを取り巻く状況に対し「EUはカナダと共にある」との発言が繰り返し行われ、流動的な国際環境に対して産業界の対応力強化が必要であることが強調されていました。

 カナダはG7加盟国のすべてと貿易協定を結んでいるほか、グローバルで計51カ国と貿易協定を結んでいます。

 このカナダ政府とドイツ政府は、「カナダ・ドイツ水素アライアンス(Canada-Germany Hydrogen Alliance)」を結んでいます。カナダが持つ先進的なマニュファクチャリング・ケイパビリティと世界をリードする研究開発力が、天然資源などのカナダの伝統的な強みを補完してくれる、と考えているわけです。

 実際に、カナダからは、230以上の企業や大学などが出展し、250人の代表団が参加、先進製造業、デジタル技術、研究開発、e-モビリティ、クリーンエネルギーの各分野で、優れた革新的企業、ネットワーク、組織が多数参加していました。

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カナダ・パビリオンの様子
(出典:筆者撮影)

データ共有圏の最新事情、新しく登場した「重要組織3選」

 ハノーバーメッセ2025の展示の中でも注目したいのが、産業・企業間におけるデータ共有に向けた取り組みです。

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