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- 2025/01/14 掲載
なぜ、最近の中国製造業は強い?フォックスコン・三一重工ら“成功者”が生まれる秘密
連載:第4次産業革命のビジネス実務論
優れた中国工場の事例(1):フォックスコン
中国では、「中国製造2025」の下で、製造業におけるスマートマニュファクチャリングの強化に向けた取り組みが進められてきました。そしてその成果もあり、いくつかの製造業の工場がライトハウスに選出されています。たとえば、電子機器の生産を請け負う世界最大規模のEMS企業グループであるフォックスコン(Foxconn)では、2019年1月に、深セン工場がはじめてライトハウスとして認定されました。また、2021年3月に成都工場が認定され、その後も複数の工場が認定を受けています。
2024年10月には、2つの施設が新たにライトハウスとして認定されています。フォックスコンの子会社であるFoxconn Industrial Internetのベトナム バクザン省の工場はベトナム初のライトハウス認定工場となり、中国深センのGuanlan工場はフォックスコン初のサステイナブル・ライトハウス工場として認定されました。
これらの工場のライトハウスへの追加により、フォックスコングループのライトハウス認定工場は計8カ所となりました。
優れた中国工場の事例(2):三一重工
中国の多国籍重機製造会社である三一重工(Sany Heavy Industry)も、2021年9月に北京工場が、重工業として世界で初めてライトハウスに認定されています。この工場は、世界最大の杭打ち機の製造工場であり、多品種・少量生産が求められる建機市場において、人と機械の連携、自動化、AI、IoTといったデジタルテクノロジーを駆使することにより、労働生産性を85%以上向上し、生産サイクルを30日から7日に短縮したことが評価されたとしています。
製造強国を目指す中国が発表した「新しいガイドライン」
このように続々と中国企業の工場が認められるようになる中で、2024年12月、中国ではスマートマニュファクチャリングの標準化体系を強化することを目的とした「国家スマートマニュファクチャリング標準体系構築ガイドライン(2024年版)」が発表され、パブリックコメントの募集が始まりました。「国家スマートマニュファクチャリング標準体系構築ガイドライン(2024年版)」では、スマートマニュファクチャリングの標準化体系構築が、中国の製造強国実現の重要な手段であるとしており、新産業の実現を加速し、生産性を高めるための戦略的手段であるとしています。
2015年から2021年にかけて、中国の工業情報化部と国務院は、スマートマニュファクチャリングの発展を推進し、その標準体系構築の支援的・先導的な役割を担う目的で、スマートマニュファクチャリングに関する国家委員会を設置してきました。
また、工業情報化部と国家標準化管理委員会は、スマートマニュファクチャリングの高度な発展を促進することを目的に、三版に渡り「スマートマニュファクチャリング標準体系」の策定を進めてきました。
今回発表されたガイドラインは、基本的な共通事項、主要技術、産業への応用やその他の標準化の方向性をカバーする国際的で先進的な標準化システムを構築することを目的としているとしています。
中国のスマートマニュファクチャリングの標準体型構築に向けた作業は、すでに多くの成果を達成しているとしており、主要技術の標準体系構築に向けたブレークスルーを加速し、実用的な成果を達成したとしています。
また、さまざまなIT・デジタルソリューションが、スマートマニュファクチャリングを「コンセプト普及・実証」段階から、「実現」段階へとの発展させるための、支援する役割を担っているとしています。 【次ページ】ガイドラインのポイント(1):システムアーキテクチャ
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