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  • 2019/03/05 掲載

自動車「CASE」の最新動向、「商用車が乗用車を逆転する」未来にどう備えるべきか

PwCコンサルティング 早瀬慶氏

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自動車業界全体が「CASE」(Connected、Autonomous、Sharing & Services、Electrification)の大波にさらされている。PwCコンサルティングによると、一般消費者が自家用車を持たなくなり、商用車が提供するサービスを利用することが増えるため、2030年には「商用車の出荷台数が増えて、乗用車を逆転する」という。こうした中で自動車メーカーはどう動くべきなのか。PwCコンサルティングのパートナーで、自動車・商用車サービスリーダーを務める早瀬慶氏が解説した。
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CASEの大変革を生き抜く方法とは
(©metamorworks - Fotolia)

2030年には50%以上の自動車が商用車に

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PwCコンサルティング パートナー
自動車・商用車サービスリーダー
早瀬 慶 氏
 PwCコンサルティングの早瀬氏は数年前から「商用車の時代が来る」と指摘していた人物。その要因として、まず人やモノの移動需要はまだまだ拡大するという点が挙げられる。同社の調査によると、2018年の移動需要に比べると、2030年には人の移動需要は1.6倍に、モノの移動需要は2倍に拡大するという。

 そしてもう1つ、カーシェアリングの普及により、利用される自動車が乗用車から商用車に変化する。乗用車は「消費者が買って使うもの」から、「買わずにみんなでシェアするもの」に変化するとき、シェアされる自動車は、もはや乗用車ではなく商用車と呼ぶべきだろう。

 2017年には自動車全体の1/4が商用車で、3/4が乗用車だったが、以上のような変化が起こることで「2030年には商用車が自動車全体の50%を超えると見ている」(早瀬氏)という。そして「商用車増加の一番の要因は乗用車の商用化だろう」と加えた。

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既存の形の商用車の純増と、乗用車の商用車への変化が進み、2030年には自動車全体の52%が商用車となる

商用車見本市ではConnectedが注目を集める

 早瀬氏は、ドイツ・ハノーヴァーで隔年で開催される世界最大の商用車見本市「IAAモーターショー」に毎回参加し、最新動向を自身の目で確かめている。2018年9月20日~9月27日に開催されたIAAモータショーに参加した早瀬氏は「今回は各社とも『CASE』のうち、Connectedの部分に最も注力していた」という。そして、その理由について「最も儲かる、あるいは儲かる可能性が高い領域だからだろう」と分析する。

 Connectedは、CASEの残り3項目(Autonomous、Sharing & Services、Electrification)を実現するための根幹とも言える。自動運転でリアルタイムに変化する地図情報を取得するにも、シェアリングや各種サービスを自動車に提供するにも、インターネットにつながる環境が必要だ。

 Electrificationの分野でも、自動車の状態をクラウドに送信して故障予知を実現したり、車載ソフトウェアを更新するときなどにインターネットにつながる必要がある。各社が現在Connectedに注力しているのは、その先にある3項目を見据えているという理由もあるだろう。

 IAAモーターショーに出展していた5社のConnectedサービスの内容を見ると、全社ともに、安全運転支援機能やナビゲーションシステム、位置情報システムなど、運行管理に向けた機能を提供しており、3社が車両サービスまで提供している。早瀬氏は「運行管理は商用車のConnectedサービスでは必須領域。これがないとサービスとして成り立たない。そして3社が提供している車両管理サービスは差別化領域と言える。各社のオプションや提供価格を見ると、やはりConnectedは最も競争が激しい領域だ」と分析している。

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Connecedサービスでは、各社とも最低限必須の領域と、1段階上にある差別化領域で争っている

 そして、この領域で勝ち抜くためには「収益プランをしっかり練ること」が大切だという。早瀬氏によると各社の収益プランは大きく2種類に分けられる。1つ目はあくまでConnected領域で儲けることを目指すというもの。もう1つはConnectedを呼び水として使って、ほかの部分で儲けるというプランだ。ヨーロッパ、アメリカの商用車メーカーは後者を選択していることが多いという。

 一方で、本来はメーカーである企業が提供するテレマティクスサービスや、自社で使用するために開発したものを他社に提供を始めたというサービスなどは、Connectedサービスだけで儲けを出していることが多いそうだ。

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