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  • 2019/12/26 掲載

NetflixやAmazon Primeが「映像業界の頂点に立つ日」はいつになるのか?

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NetflixやアマゾンのPrime VideoといったOTT(Over The Top)によるビデオストリーミング視聴が米国ではテレビを上回り、その勢いは今後も増すと予想されている。NetflixはじめとするOTTはいつ「映像業界の頂点に立つ」のだろうか。12月8~10日、ロサンゼルス近郊でParks Associates社主催の「Future of Video」というコンフェレンスが開催され、今後のトレンド、問題点などが話し合われた。
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若年層ではテレビではなくスマホで動画を見るのが当たり前になってきている
(Photo/Getty Images)

ビデオストリーミング、トップ3と4位以下に大きな差

 米国におけるOTT(Over The Top)と呼ばれるビデオストリーミングサービスの中で、視聴者数上位は以下の通りだ。

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OTTの視聴者数

 しかし、数で比較するとNetflixの視聴者が6000万人以上、アマゾンのPrime Videoが5000万人弱、Huluが2700万人弱、HBO以下は1000万に届かない数字と大きな開きがある。

 つまりストリーミングビデオはスポーツなどの専門チャンネルを除いて、まさに3強による独占状態とも言える(ただし、2019年10月にサービスを開始したディズニーはわずか1週間で1000万視聴者数に到達し、第4の存在に浮上している。元々ディズニー・チャンネルなどで人気があったため、そちらから移行した顧客が多かったためと考えられる)。

 興味深いのはトップ3がそれぞれサービス開始から12年、13年、11年とストリーミングサービスでは初期から存在したものであるのに対し、4位以下はMLB. TVを除いては5年以下と比較的新しいサービスであること。

 つまりトップ3の成功により、ストリーミングサービスに乗り出す企業が増えたことを意味する。その中に大手テレビチャンネルが3社あり、テレビも続々とオンデマンドに乗り出している状況が浮かび上がる。



ケーブルテレビの利点は「ほとんどない」

 OTTの台頭により最も影響を受けているのはケーブルテレビだ。eMarketer社の調査によると、2013年には米国でDirecTVなどのケーブルテレビの視聴者は1億500万人だったが、2019年には8650万人に激減、2023年には7270万人まで減少する見込みだという。

 特に18~29歳までの年齢層では映像の視聴は主にストリーミングサービスで行うと答えた人が61%、30~49歳では37%、50~64歳では10%、と年代別に大きな開きがある。

 18~29歳の特徴はこの他、ビデオ視聴は主にスマホやタブレットなどのデバイスで行うと答えた人が最も多かったという点だ。米国の余暇の過ごし方がカウチポテトだったのは昔の話、今は片手スマホでビデオを楽しむ時代になりつつある。

 ケーブルテレビがストリーミングサービスに駆逐されつつあるもう一つの理由が価格だ。ケーブルテレビ料金は月額40ドル前後が中心で、契約チャンネル数に応じて100ドル程度までの価格帯になるが、ストリーミングサービスはほとんどが20ドル以下で、チャンネル数はケーブルテレビの最高サービスと同等だ。

 ハリウッド・レポーター誌が昨年行った調査では、有料テレビで最も決め手となる要素として90%の人がコストを挙げ、うちケーブルテレビに「満足」と答えたのが47%だったのに対し、ストリーミングでは79%だった。

 しかも「番組の質」「番組の数」という項目でもストリーミングがケーブルを上回り、ケーブルのほうが高い評価だったのは「ローカルニュースが視聴できる」「全国ニュースが視聴できる」「ライブでスポーツイベント視聴ができる」の3項目のみだった。

 しかし、この3項目は無料の地上波テレビでも可能なものであり、ケーブルテレビのストリーミングに対する利点はほとんどないと言っても過言ではない。

 番組の質という部分では、今年のアカデミー作品賞をNetflix制作映画が受賞したことが記憶に新しい。またエミー賞でも軒並みHBOなどストリーミングの独自コンテンツが受賞しており、ネットワークテレビもドラマコンテンツではストリーミングに及ばない。

 映画の世界であっても豊富な制作資金を投入できるストリーミングが今後ますますメジャーになる可能性もある。

【次ページ】Netflixはどこに今後の成長を見込んでいるのか?
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