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- 2025/03/19 掲載
ドラゴンボールパークが「サウジ」に建つ残念な理由…“利用される”日本の致命的弱点

ドラゴンボールパークを作るサウジアラビアの思惑
ドラゴンボールのテーマパークについては、「ドラゴンボール」の権利元の1つである集英社のホームページにて概要が紹介されている。それによると、ドラゴンボールの場面が再現された7つのゾーンには30以上のアトラクションが建設予定で、アトラクションのうち5つは「世界初の体験」になる。また、中央に建設される神龍のジェットコースターは高度70メートルと、本気度の高さがうかがえる。
この建設の背景には、第一にサウジアラビア側の事情がある。
サウジアラビアは現在、国家を挙げて「サウジビジョン2030」という計画を進めている。ご存じの通り、同国は石油に依存した産業体質。しかし、天然資源だからどうしても不安定さが付きまとう。そんな体質を脱して産業の多角化を進めるのがこの計画の目標だ。
その中核を成す計画の1つが「キディヤ・シティ」という巨大なエンターテインメントシティの開発で、そのコンテンツの1つとしてドラゴンボールのテーマパークが作られる予定なのだ。
では、その中でもなぜ「ドラゴンボール」だったのか?
「サウジビジョン2030」を進めているのは、サウジアラビア皇太子のムハンマド・ビン・サルマン氏。新日家で、大のアニメ好きとしても知られている。加えて、サウジアラビア全体でも日本のアニメ人気は高く、世界的に人気を博しているドラゴンボールが選ばれた、というわけだろう。
このようにドラゴンボールパーク建設が実現に向かって動き出したのは、第一にサウジアラビア側からの熱烈なコールがあったからだ。
一方、このニュースを見たとき私が考えたのは、「なぜこの計画が日本で実現しなかったのか?」ということ。
もちろん、「企画としてあがって来なかったから」といってしまえばそれまでだが、実はこれを考えると日本のテーマパーク産業、およびコンテンツ産業、そして日本人の“弱点”が見える。それはなにか。 【次ページ】コンテンツ大国・日本が勝機を逃したワケ
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