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- 2018/03/02 掲載
コネクテッドビークル調査、利用者最大の懸念はセキュリティではない--IDC 敷田氏
コネクテッドビークル実現に向けて車のCASE化が進展
クルマの「CASE」化が進展している。Cはコネクテッド(Connected、接続)、Aはオートノマス(Autonomous、自律)、Sはシェアード(Shared、共有)、Eはエレクトリック(Electric、電気)を意味する。ダイムラーAG会長 Dr.Dieter Zetsche氏は、この4つのキーワードが自動車業界を根底からくつがえすパワーを持っていると、かつて発言した。このうちコネクテッドは4つのキーワードすべてを包含しているテクノロジーであると敷田氏は指摘する。
IDCは、コネクテッドビークルの重要な定義として、「セルラー無線ネットワークを利用すること」「自家用のみならず、商用、公共輸送の車両も対象とすること」の2点を挙げた。
欧米においては、“コネクテッドピークル化”の取り組みは官民を挙げた形で進んでいる。なかでもEUは、2018年4月以降EUで発売される新車に「e-callサービス」搭載を義務化づけた。これは、衝突など大きな衝撃を受けた際、車両がネットワークを通じて当局へ自動報告するというものだ。
一方、日本では自動車メーカーの取り組みが先行する。中でも戦略的に取り組んでいるのがトヨタだ。同社は車載データ通信モジュール(以下、DCM)の展開を2005年より開始しており、2020年までに日米で販売するほぼすべての乗用車にDCMを標準搭載予定。また、コネクテッドビークル実現に向け、専業会社やリサーチ機関を着々と立ち上げている。
事業機会はITベンダーにも十分にある
しかし、主体が車両だからといって、コネクテッドビークルをめぐる事業機会が自動車メーカーだけとは限らないと敷田氏は語る。ITベンダーにも十分に参入の余地はあるとして図1を示した。これはIDCが考案したコネクテッドビークルをめぐるビジネスエコシステムの図だ。V2XネットワークのV2Xは、ビークル to エブリシングという意味で、ビークル to ビークル、ビークル to インフラストラクチャなどがあり、比較的公共性が高いネットワークのことを指す。
一方、サービスプラットフォームは、ビッグデータ解析、高精度マップ、AI、次世代セキュリティなどの提供を目的とする。ITベンダーの事業機会として、プラットフォーム自体の構築、この上で動くコンポーネント技術の開発・運用などさまざまなケースが考えられると同氏は主張する。
【次ページ】AIとICTの活用で実現する次世代ヘルスケア
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