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  • 2019/12/05 掲載

5G時代の到来で、自動車業界から「劇的に消える仕事」「生まれる仕事」

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次世代通信規格「5G」の登場により、さまざまな通信サービスが変革期を迎えると言われている。中でも、自動運転については大きな変化が予想されており、調査会社による「業界スタンダードを誰が主導するのか?」という質問に対する答えも2年前とは大幅に入れ替わった。5G時代の到来によって、自動車業界はどう変わるのか。スプリントが新たに始めたIoTサービス「キュリオシティ(Curiosity)」などから読み解いていこう。

執筆:米国在住ジャーナリスト 土方 細秩子

執筆:米国在住ジャーナリスト 土方 細秩子

米国在住のジャーナリスト。同志社大学卒、ボストン大学コミュニケーション学科修士課程修了。テレビ番組制作を経て1990年代からさまざまな雑誌に寄稿。得意分野は自動車関連だが、米国の社会、経済、政治、文化、スポーツ芸能など幅広くカバー。フランス在住経験があり、欧州の社会、生活にも明るい。カーマニアで、大型バイクの免許も保有。愛車は1973年モデルのBMW2002。

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5G加入者とトラフィック
(出典:ABI Research)

自動運転をリードするのは?

 5Gは、自動運転からデジタルヘルス、VR、ストリーミングサービスまで、大きな変革をもたらすといわれる。自動車関連のマーケットリサーチ会社、TUオートモティブによると、米国での5G関連の投資総額は2035年には1兆2,000億ドルに達し、5Gのバリューチェーンのみでもたらされる経済効果は3兆5,000億ドルに達する見込みだ。

 5Gの導入、普及に伴い、業界をリードする役割にも変化が見られ始めた。TUオートモティブが行った調査によると、2017年の時点では「自動運転の開発、業界スタンダードの設定をリードするのは誰か」という問いに対し、答えが分散していた。自動車メーカーはもちろん、グーグルやアップルなどのテクノロジー企業、通信会社、自動車サプライヤー、クラウドサービスなどがそれぞれ10%以上の回答を占めていた。

 ところが2019年に同様のアンケートを行うと、テクノロジー企業が45%と圧倒的な数字を占めるようになった。自動車メーカーはあくまでハードウェア作りの担当であり、自動運転を推進するのはソフトウェアを提供するテクノロジー企業、という考えが明確になりつつある。


 

スプリントの「キュリオシティ」とは?

 このような状況の中、通信会社も携帯サービスだけではなく、IoT全般に関わるサービスソリューションを提供する必要が出てくる。そこで米通信大手スプリントではIoTに特化した「キュリオシティ(Curiosity)」を生み出し、5G時代に備えている。

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5Gとキュリオシティの関係
(出典:スプリント講演資料)

 まずキュリオシティはコア(Core)とOSによるプラットホームから成っている。スプリントのストラテジー・アンド・パートナー・マネジメント部門のアクテル・ジャビッド氏によると、コアとは「ソフトウェアのために構築されたIoTネットワーク」だそうだ。

 キュリオシティのビジネスに対するソリューションの柱として挙げられているものは下記の通り。

  1. (1) 車両、商用車管理:
    商用車のトラッキングおよび全体的な管理
  2. (2) 資産管理:
    高価値の資産トラッキング
  3. (3) モバイル・コマース・ソリューション:
    いつでもどこでも利用できるコマースのためのモバイルソリューション
  4. (4) キュリオシティ・センサー・ソリューション:
    ワイヤレス・センサー・モニタリング
  5. (5) ドライバー・セーフティ:
    商用車のセーフティ・ソリューション
  6. (6) スマートビルディングとスマートシティ:
    市全体に及ぶコネクティビティサービス
  7. (7) キュリオシティ・スマートビデオ・アナリティクス:
    自動ビデオ分析

 ユースケースはこれだけに留まらない。スプリントではキュリオシティを用いた「IoTファクトリー」というオープンプラットホームも提供しており、「いかなるスケールのビジネスもIoTにつなげることでテクノロジーの民主化をはかり、すべての人々が利用できるサービスとする」という目標を掲げている。

 具体的なユースケースとしては、レストランやフードサービスが食品の安全性を確保するために温度モニタリングしたり、不動産管理会社が建物のメンテナンスや快適度・セキュリティなどをチェックしたり、コンビニで在庫管理のための温度調節を行うなど、多様なものが想定されている。

【次ページ】自動車業界から消える仕事、生まれる仕事

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