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- 2019/01/21 掲載
【CES2019現地レポ】家電メーカーの自動運転進出で、なぜ「OS開発」なのか
AIによるスマート家電で存在感を示すLG
基調演説では、同社のCTOであるI.P. Park氏がガイドロボット「CLOi(クロイ)」を登場させ会場を沸かせた。
同氏はAIがなぜスマート家電にとって必要不可欠なのかを洗濯機を使って解説した。AIによるアシスタントは人の生活パターンや思考、さらに天気情報などを総合的に解析し、たとえば「今、洗濯を始めると終了予定時刻には電話会議が入ることになる。また雨の予報があるので洗濯物が乾かない可能性もあり、今は洗濯を始めないほうが良い」といったアドバイスを提供する。
スマート家電は今後ますます進化し、人は家庭内でのすべての家事についてこうしたアシストが得られるようになる。
Luxoftとの協業で、自動運転の領域に本格進出
IoTの時代に、こうしたネットワークは家庭内にとどまらず、ビジネスシーンにも広がっていく。たとえば会社で仕事をアシストするAIロボット、さらには車内でのコミュニケーションシステムとのスムーズな連携も可能になる。そこで、同一プラットホーム上でこれらすべてをコネクトし、ストレスのないエコシステムを構築することが必須となるが、そのために現在LGが開発を行っているのが新たなwebOSだ。
webOSはもともと、旧Palmによって開発されたモバイル向けOSだ。旧HPによって買収され、LGに買収された経緯を持つ。このwebOSのオープンソースプロジェクトに参画する戦略的パートナーの1社に選ばれたのが、モスクワを本拠地とするLuxoft社である。
Luxoft社は企業向けにハイエンドのソフトウェアソリューションを提供する会社だが、今回のCESではwebOSのエコシステムを自動運転市場で示すため、LGとの協力で製作した自動運転のコネクテッド・モビリティのコンセプトモデル「microSNAP」を同社のブースで展示した。
自動運転システムを備えたプラットホームとそれに合わせたモビリティカプセルが別個に展示され、実際の走行は行われなかったものの、カプセル上でこのシステムがどのように顧客の個人的なデジタルライフスタイルと車への乗車体験を統合し、提供するのかを示すデモが行われた。
まず、ライドシェアとしての機能だが、車に乗り込み車内のモニターからQRコードを読み込むことで車を発進させることができる。運転者のスマホの情報を車と共有することにより、個人的な設定が行えるほか、車載スクリーンにはナビゲーションが示され、自動運転で目的地に向かう。AIアシスタントとして「Amazon Alexa」が搭載され、Alexaのボイスコマンドにより好きな音楽を流す、エアコンをコントロールするなどの操作をスムーズに行うことができる。
【次ページ】LGが強調したソフト面のアプローチ
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