- 会員限定
- 2024/02/29 掲載
ソニーだけじゃない、家電メーカーが「EV覇権」を握る日が近い「これだけの根拠」
引き続き「注目の的」ソニー・ホンダモビリティ
1月に米ラスベガスで開催された世界最大級のテクノロジー見本市「CES」では、2023年に引き続き今年も多くの人の目を集めたのが、ソニーの記者発表だった。発表の前半は、PlayStationなどゲームや映画などの紹介が続き、バーチャルとリアルの融合を目指し3D映像を生み出せるクリエーターのためのガジェットなども紹介された。だが、やはり注目度が高かったのは後半のソニー・ホンダモビリティによるEV「AFEELA」(アフィーラ)のプロトタイプ車発表だった。
今回のAFEELAは、2023年に発表したものとほぼ同じ車体ながらインテリアや内部システムを一新し、2025年に先行販売予約を開始するプロダクトモデルに近いものとなった。
半導体大手のクアルコム社によるデジタルプラットフォームも継続しており、数々のセンサーによって外部の交通情報を分析、安全性を確保しながら車内でさまざまなエンターテイメントを楽しめる、自動運転を前提とした移動空間を提供するとした。
会見では、川西泉社長がPS5のコントローラーでAFEELAをリモートで呼び出すなど、「ソフトウェアを中心に作られた車」を意味する「SDV」(ソフトウェア・デファインド・ビークル)の考え方を強調する演出も行われた。
他のメーカーもスマホアプリで車をガレージから呼び出すなどの技術を披露しているため、これそのものは目新しいものではないが、PlayStation 5とリンクさせることでソニーらしさを印象付けることに成功したと言えるだろう。
さらにAFEELAは、実車デビューを前にソニーの誇るゲームソフト「グランツーリスモ」にひと足早く登場することも明らかにされた。ゲーム画面を通して、AFEELAの走りを楽しめることになる。
ソニーのEV参入が象徴、自動運転時代の焦点
その後2022年3月にソニーとホンダの提携合意が発表され、早くも2023年1月のCESでソニー・ホンダモビリティとして初となるコンセプトカー「AFEELA」の発表となった。
Vision-Sの車体製造を手掛けたのは、大手サプライヤーであるマグナ・シュタイヤー社で、この時点ではファブレス生産(他社に製造を委託して自社ではデザインや設計のみを行う手法)が今後の主流になるとも言われたが、ソニーとしては車という人命を預かるものの製造に乗り出すにあたり、安全性などを重視してホンダとの提携に踏み切ったと言われている。
ソニーのEV参入は大きな話題となったが、そもそもEVとは、従来のガソリン車とは根本的に異なる「システム」と「目的」を持つ。
動力はモーターであり、自動運転時代の到来を見据え、車内での移動空間に人の介入がなくなった時、車内でどのような体験が楽しめるのかが焦点となる。つまり、ソフトウェアや電化製品に強いメーカーには十分に自動車産業への参入の余地がある。
それが今年のCESを中心に大きくクローズアップされた。 【次ページ】ソニーだけじゃない、家電メーカーのEV参入が世界で続々
関連コンテンツ
関連コンテンツ
PR
PR
PR