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- 2018/04/18 掲載
なぜ世界中の自動車メーカーが「カーシェア」にこぞって投資するのか
カーシェアリングがいよいよ本格化
初期のカーシェアリングの代表的な企業といえばZipcarだろう。2000年に米国で始まったZipcarは現在でも世界で2番目の規模を誇るカーシェアリング企業であり、2017年には1万1000台のシェア用車両を保有、利用会員数は76万7,000人に達する。ちなみに2017年の世界最大のカーシェアリング企業はドイツのダイムラー傘下のcar2goで、保有車両数1万4000台、会員数は250万人を誇る。
カーシェアリングの歴史を見ると、最初にこうしたコンセプトを発表し、実施したのは欧州だった。フランス、オランダなどにカーシェアリング会社が登場したが長くは持たなかった。その後も英国などにカーシェアリングが生まれたが、ポピュラーな存在にはならなかった。
1980年代になりようやく世界各地、そして米国にもカーシェアリングの概念が広がり、1990年代はカーシェアリングの発展の時代、そして2000年からが本格的なビジネスの始まりと言える。
自動車メーカーがカーシェアリングを主導するワケ
Zipcarなどに人気が集まると、次にカーシェアリングに乗り出したのはレンタカー会社だった。Avis、Hertz、U-Haul、Enterpriseなどの大手が次々と参入したが、レンタカーの時間貸し、という概念であり参入しやすい環境でもあった。そして数年前から目立ち始めたのが自動車メーカーが主導するカーシェアリングだ。米国内だけを見てもトヨタがGetaound、ダイムラーがcar2go、GMがMaven、アウディがAudi Shared Fleet、BMWがReachNow、フォードがChariot、とそれぞれのカーシェアリングサービスを展開あるいは投資を行っている。
カーシェアリングの本来のコンセプトは「利用したい時だけ利用する」というものであり、なるべくたくさんの車を売りたい、という自動車メーカーの考えとは相反するものだ。それなのになぜメーカーはカーシェアリングに興味を持つのか。
一つにはカーシェアリングが今後も成長を続ける産業であること。マーケットリサーチ会社Navigantによるとカーシェアリング産業全体の収入は2015年には11億ドルだったが2024年には65億ドルに成長する見込みだという。これにウーバーのようなライドシェアを合わせるとその市場規模は2026年には1兆2000億ドルに達する。マーケットリサーチ会社Berg Insight社の予測では2020年には全世界のカーシェアリングの会員数は2600万人に達する見込みだという。
【次ページ】カーシェアリングで得られるデータの価値
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