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- 2024/10/09 掲載
10年後アジアが「世界最大」になる「自動車AI市場」、生成AIは自動車をどう変えるか
大注目「自動車AI市場」、2033年アジアが「世界最大市場」に
生成AIの進化によって、自動車メーカーは従来ではできなかったサービスを顧客に提供できるようになっている。生成AIは、自動車の製造過程やMaaS(次世代移動サービス)、SDV(ソフトウェア定義車両)、自動運転などの分野だけではなく、顧客サービスの分野でも重要になりつつあり、自動車関連のAI市場規模は今後大きく成長することが見込まれている。
米調査会社プレシーデンツ・リサーチ(Precedence Reseach)によると、自動車関連AI市場(ハードウェア、ソフトウェア、サービスを含む)はグローバルで2023年の32億2,000万ドルから2033年には357億1,000万ドルに成長する見込みだという。2024年から33年のCAGR(年平均成長率)は平均で28%となる。
地域別に見ると、2023年の時点では北米市場が11億8,550万ドルと全体の36.8%を占め、2033年にはその規模は121億4,100万ドルに成長する見込みだ。
一方でアジア太平洋地域では、2023年時点では9億2,450万ドルと全体の28.7%だが、2033年には128億7,980万ドルと世界最大の市場に成長する見込みだという。
進む半導体企業誘致、ドイツは政府支援で110億ドル投資
こうした自動車向けAI市場には、そのための半導体も欠かせない。TSMCの熊本工場の運営子会社JASMと同様に、欧州でも台湾の半導体企業の誘致が行われている。最大のプロジェクトの1つは、TSMCが主導し、ボッシュ、インフィニオン、NXPらが共同で出資した、ドイツ東部ドレスデンに拠点を置くESMC(European Semiconductor Manufacturing Company)と呼ばれる組織だ。これは110億ドルを投じた巨大事業で、ドイツ政府が工場建設費の半額を負担する。
今後のSDVの実現を考えても、こうした動きは、自動車メーカーの競争力を高める要因として、ますます盛んになることが予想される。
では、具体的に生成AIで自動車はどう変わるのか。顧客の購入体験の向上から、長期にわたる顧客サービスの向上によるロイヤリティの構築まで、生成AIがいかに自動車メーカーの戦略に関わってくるかを消費者行動の段階ごとに検証したい。 【次ページ】実際、生成AIで「車選び」はどう変わるのか?
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