• 2024/12/17 掲載

軽商用EVに見るホンダの「超本気」EVシフト、三菱商事との協業に潜む「狙い」とは

連載:EV最前線~ビジネスと社会はどう変わるのか

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本田技研工業(以下、ホンダ)から今年10月、軽商用EV(電気自動車)の「N-VANe:(エヌバン イー)」が発売された。2040年に新車販売におけるEVとFCV(燃料電池車)比率を100%にすることを掲げて以降、ホンダとして初の商用EVとなる同車種を詳しく見ていくと、ホンダのEVシフトに対する「本気度」が見えてくる。同車種の特徴や性能に加え、EV関連事業での三菱商事との新会社設立の背景についても、モータージャーナリストの御堀直嗣氏が解説する。
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ホンダから発売された軽商用EV「N-VAN e:」の実力とは
(出典元: ricochet64 / Shutterstock.com、 William's photo / Shutterstock.com)

ホンダ2代目の市販EV「N-VAN e:」

1ページ目を1分でまとめた動画
 ホンダから今年10月、同社2台目の市販EVとなるN-VAN e:が発売された。N-VAN e:は、軽自動車規格のいわゆる商用バンだ。

 軽商用EVは、三菱自動車工業が2011年にミニキャブMiEV(ミーブ)を発売したのが最初であり、同モデルは現在、三菱eKクロスEVの技術を導入したミニキャブEVへ発展・進化している。

 ほかにも、2021年には自社工場を持たず他社に製造を委託する、いわゆるファブレスメーカーのHWエレクトロから、エレモKという軽商用EVが発売されている。また同社とは別に、やはりファブレスメーカーであるASFが、佐川急便と共同開発した車種、ASF2.0が2023年から街を走り始めている。ちなみにこのASF2.0は、マツキヨココカラ&カンパニーに業務車両として納車されている。

 こうした車種の一方で、ダイハツの軽商用バンである「ハイゼットカーゴ」(エンジン車)を基に開発された軽商用EVの発売が延期されるという出来事も起きている。

 この車種は、ダイハツ、トヨタ、スズキの3社がEVシステムを共同開発し、上記3社に加え日野自動車も加えた全4社が出資する商用車の企画会社CJPTも製品企画に参加した軽商用EVだ。2023年度中にトヨタやスズキへ供給される予定だったが、ダイハツの生産および出荷停止措置の影響を受け、延期になった。

ラインナップ「全4種」の違いとは

 そうした中で、ホンダから発売されたのが、N-VAN e:だ。

 この先、自社のEVラインナップを軽自動車へも広げると見られているホンダから、いわば「先駆け」として発売された同車種を詳しく見ていくと、日本独自の規格である軽EVがどう発展していくのか探る手掛かりを掴むことができる。

 N-VAN e:は、4種のラインナップがある。

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N-VAN e:には4種のラインナップがある
(出典元: Tegar Pict / Shutterstock.com)

 最も廉価な「e: G」は、宅配など商用として運転者一人乗りに特化した基本形で、価格は243.98万円だ。用途を限定し、急速充電の対応はない。ただ、急速充電機能を加えた車種も選べ、その場合は254.98万円になる。

 このモデルに、2輪車のような前後タンデム式に二人乗車できるようにしたのが、「e: L2」である。

 仕事で使うほか、個人での利用に適う四人乗り(軽自動車の乗車定員は4人まで)としたのが、「e: L4」だ。さらに、乗用車としての付加価値を増したのが「e: FUN」で、この車種のみ内装が明るいベージュ色になる。また、e: L4とe: FUNは、外装色として2トーンを選べる。最も高額になるのがe: FUNで、これのみ急速充電機能が標準装備になり、価格は291.94万円だ。 【次ページ】「約300万」の価格は「高い」のか?
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