社用車のコストはここまで下がる、想像より“100万以上”安い「まさか」のコスト削減法
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上がる一方の社用車のコスト……「意外すぎる」解決策
クルマを仕事で使うにあたって、最も気になるのがその「コスト」だろう。購入にかかるコストはもちろん、購入後には税金や保険、車検などの法令で定められたお金がかかる。利用すればそれだけガソリン代もかかるし、オイルやタイヤなどの消耗品を含めたメンテナンスの費用も侮れない。
特に最近は、レギュラーガソリンの値段が160~170円で高止まりし、国際情勢によって変動するなど不安定要素が強い。このため、ガソリン価格の変動に一喜一憂している経営者、個人事業主も多いはずだ。
そこでぜひ注目してもらいたいのが、電気自動車(EV)である。理由は単純明快、「安い」からである。「いやいや、電気自動車なんて高いに決まっている」「自分にはまだ早い」といった声が聞こえてきそうだが、それは誤解である。
たとえば、日産自動車の軽EVである「サクラ」のXグレード(約260万円)の場合、条件さえ整えば約135万円で購入できる。しかも、購入後にかかるコストもガソリン車より安い。
ここからは、その理由を詳しく紹介したい。おそらく、電気自動車への先入観が払拭される“目からウロコ”の内容のはずだ。
なぜEVのほうが「安い」のか?最新事情はここまで進化していた
「電気自動車に対しては、現在、国の『クリーンエネルギー自動車導入促進補助金(CEV補助金)』が55万円あり、エコカー減税が1万5,600円あります。さらに、自治体ごとに補助金制度があり、たとえば東京都であれば70万円が補助されるので、最大で126万5,600円も優遇されるのです(注1)」(高橋氏)
さらに、ランニングコストも電気自動車のほうが安い。駐車場に普通充電器を用意すればガソリンより安価に運用できる。たとえば、20kWhのバッテリーを搭載したサクラは、満充電で180km(WLTCモード(国土交通省審査値))を走行できるが、4~8時間で100%充電できる。スマートフォンのように、夜中にコンセントに挿しておけば、翌朝には満タンになるわけだ。
「長距離を走る際には外での充電が気になると思いますが、全国に約2000店舗ある日産販売店、高速道路のサービスエリア、道の駅、ショッピングモールなど、約3万2000基(注2)の充電器があります。また、外出先であれば、より短時間で充電できる急速充電も利用可能です」(高橋氏)
「充電施設が増加しているのに対し、毎年、数を減らしているガソリンスタンドは、特に人手不足に悩む地方での減り方が激しく、ガソリンを入れるために遠くのスタンドまで行かなければならないという話もよく聞きます。地方のほうが電気自動車が向いていると言われるのも、こうした現実があるからです」(高橋氏)
なお、走行距離や自宅および外での充電回数はクルマの用途・使い方によって異なり、それによって費用も変わる。そのため、日産では充電にかかる費用を試算できる「充電費用シミュレーター」をHP上で案内している。
EVの驚きの活用法、今「BCP」目的で導入が増えているワケ
「サクラやリーフには、搭載するバッテリーから電気を取り出して、数日間、さまざまな用途に活用できる仕組みが用意されています。たとえば、複数台のクルマを活用されているなら、そのうちの1台を電気自動車にするだけで、万が一のときのBCP対策になります」(高橋氏)
使い方はさまざまだ。避難時の冷暖房、パソコンやスマホなどのIT機器の利用、テレビ、冷凍・冷蔵、照明、給湯など、いつもは仕事で使っている電気自動車が緊急時の支えになる。
「たとえば、介護施設で停電が発生して冷暖房が止まってしまったら、高齢者の方々にとっては命に関わります。ある介護施設の方からは、フードプロセッサが重要だと伺いました。歯が悪い高齢者にとっては、食事を用意するのに不可欠なのです。また、別の施設では、洗い物をするために井戸の水をくみ上げるポンプが重要であり、それを動かすためにサクラのバッテリーが活用された事例もあります」(高橋氏)
なお、災害時のBCP対策として大型のバッテリー製品を検討している企業があるかもしれない。ただし、緊急時の生活を支えられる大容量バッテリーは非常に高価であり、電気自動車を活用したほうが実は安上がりだ。
「家電量販店に行けば、10~20万円程度のバッテリーが販売されていますが、容量が小さすぎて数日間の生活を支えることはできません。生活を数日間支えられる本格的な大容量のバッテリーは数百万円するのです。しかし、サクラやリーフであれば、可搬型のパワーコンディショナー(外部給電器)を追加していただくだけで、いつでも電源を取り出して活用できる環境を用意できます」(高橋氏)
なお、高橋氏によると、サクラやリーフのバッテリーは、たとえば社内運動会や屋台のようなイベントでも活用されているという。災害時はもちろんだが、アイデア次第で平時から活用できるのも、電気自動車のメリットと言えるだろう。
リセールバリューは実際どう?プロに聞いた答え
「当社が初めて電気自動車を開発したのは、1947年にさかのぼります。戦後の石油不足を背景に期待が高まり、『たま』という電気自動車を発売しました。また、1997年には世界で初めてリチウムイオン電池を搭載したプレーリージョイEVを発表し、2010年には世界初の量産型電気自動車リーフを発売しました」(高橋氏)
そして高橋氏は、この長い歴史こそが同社の強みであると、次のように続ける。
「リーフの発売から14年間、国内の約2000の店舗すべてでメンテナンスをやり続け、さまざまなノウハウが蓄積されています。これらのすべての店舗で、ガソリン車とまったく同様に電気自動車についてもご相談いただけることが、我々の強みだと思います」(高橋氏)
なお、実際に電気自動車を検討すると、リセールバリューやバッテリーの劣化も気になるだろう。
まず、リセールバリューが気になる場合は、数年後の価格をあらかじめ設定した「リース契約」が用意されている。車検やメンテナンス料金を含めたうえで月々の支払い金額が設定されるため、一括購入が不安な場合は、こちらを選択するのも1つの手だ。
バッテリーについては「容量保証」が用意されている。8年もしくは16万kmのどちらか早いほうで、バッテリー容量が基準値を割り込んだ場合は、修理・交換などによって基準値以上の容量への復帰が保証される。
「お仕事で使われているクルマは、コストに関する悩みが大きいと思います。我々としては、電気自動車がその解決策になること、そして、災害時にもお役に立てることを、ぜひお伝えしたいのです。もちろん、静粛性やパワー、ハンドリングといったクルマとしての性能、快適性にも満足していただけると思います。ぜひ、お近くの日産のお店に、サクラやリーフを見にきていただければと思います」(高橋氏)
なお、サクラは2022-2023「日本カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞している。これは、自動車評論家を中心とするメンバーにより、年間で最も優れた乗用車に贈られる賞だ。電気自動車は、通常の自動車としても魅力的で、高く評価されているということを、最後に付け加えておきたい。