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  • 2023/12/13 掲載

トヨタを脅かすヒョンデとBYD、乗ってわかった国産EVに「圧倒的に足りない」視点

連載:EV最前線~ビジネスと社会はどう変わるのか

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世界各国の自動車メーカーが入り乱れて覇権を争っているEV市場。日本でもトヨタや日産など各社がEV開発に力を入れているが、そんな各社の前に立ちはだかるのが韓国ヒョンデ(現代)と中国BYDだ。実は両社が手掛けるEVには日本車にはない「着眼点」が存在する。実際に両社のEV試乗も経験したモータージャーナリストの御堀直嗣氏が、中韓EVメーカーの「強さ」を解説する。

執筆:モータージャーナリスト 御堀 直嗣

執筆:モータージャーナリスト 御堀 直嗣

1955年(昭和30年)生まれ。玉川大学工学部機械工学科流体工学研究室卒業。1978~81年フォーミュラレースに参戦、81年にFJ1600で優勝。84年からフリーランスライター。著書29冊。一般社団法人日本EVクラブ理事。NPOトリウム熔融塩国際フォーラム会員。日本モータースポーツ記者会会員。公益社団法人自動車技術会会員。自動車を含め環境やエネルギー問題に取り組む。

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中韓EVメーカーの強さの秘密はどこにあるのだろうか
(出典元: Robert Way / Shutterstock.com、AntonovVitalii / Shutterstock.com、Tada Images / Shutterstock.com)

韓国ヒョンデと中国BYDはなぜ日本上陸した?

 韓国最大の自動車メーカーであるヒョンデ(現代自動車)は2022年2月、日本市場へ再参入した。再参入と表現したのは、実はかつてヒョンデは日本市場で正規輸入での新車販売を行っていたものの、2009年に撤退したためで、日本市場への挑戦は初めてではないからである。

 ヒョンデはこの再参入で、EVと燃料電池車(FCV)に車種を絞って新車販売する戦略を取っている。

 同社は、グループ内のヒョンデ/キア/ジェネシスという3つの自動車ブランドの合計により、世界3大EVメーカーになろうとしている。現状、EV販売で世界一を競うのは、米国テスラと中国BYDであり、この2社にヒョンデは挑むことになる。日本市場への再参入で、車種をEVとFCVに絞った背景がそこにある。

 そしてその中国BYDは、ヒョンデ再参入と同じ年である2022年7月に、日本の自動車市場へ乗用車販売で参入することを明らかにした。BYDは、2015年から日本へEVバスを納入してきたが、いよいよ乗用EVでの挑戦を始めたのである

 国内販売が低迷して一度は撤退したヒョンデと、自動車メーカーとしては2003年からという歴史の浅いBYD。世界で8000万台を超える新車市場のうち、わずか400万台と5%規模でしかない日本市場へ、両社はなぜ進出を図るのだろうか?

ヒョンデEVの特徴とは?

 両社の日本進出の狙いを紐解く前に、まずはそれぞれが展開するEVの特徴について見ていきたい。

 ヒョンデは、日本市場への再参入において、EVのIONIQ5(アイオニック・ファイブ)と、FCVのNEXO(ネッソ)の販売をまず開始した。続いて今年11月から、EV第2弾となるKONA(コナ)が販売されている。

 2022年の再参入当初から主力商品となってきたIONIQ5は、日本のEVではトヨタbZ4Xや日産アリアと競合する車体寸法だ。一充電走行距離も、グレードにより幅はあるものの、2輪駆動の車種で500km前後と、いずれもほぼ同等の性能を持つ。

 筆者はIONIQ5に試乗したのだが印象は極めて良く、このモデルは走行性能だけでなくEVとしての商品性にも見るべき点があると感じた。

 IONIQ5においてまず注目すべきポイントの1つは、メーター表示の独自性と機能の高さだ。一目瞭然で情報を入手できる画面構成となっているほか、ウインカーを操作すると、操作した側の車体側面の映像がメーター内に表示され、ドアミラーから死角となる部分の安全を確認できるのだ。

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IONIQ5の内装。速度などが表示されるハンドル前部のメーターで、車体側面の映像を確認できる
(写真:UPI/アフロ)

 そのような画面の利用は他社でも行われているが、多くはカーナビゲーション画面を利用しての映像であり、運転中に目線をカーナビゲーション側へ移動させなければならない。しかし、IONIQ5は正面のメーター内に表示するので、視認性に優れる。 【次ページ】国産EVにないBYDのEV「スゴい」機能

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