- 会員限定
- 2016/01/15 掲載
石油業界の世界ランキング:メジャーとは何か?OPECや産油国企業が躍進した理由
石油産業は当初からグローバルな産業だった
たとえば、日本は、現在でも一次エネルギーの4割前後を石油に依存しており、毎年2億キロリットル以上もの原油の輸入している。もし石油がなくなれば、たちまち経済が麻痺するだろう。
現に、1970年代にはオイルショックを経験しているし、2011年の東日本大震災後にも石油不足に陥り、国民が右往左往したことは記憶に新しい。「石油の一滴は血の一滴」という言葉もあるほどで、石油は、まさに“産業の血液”といっても過言ではない。
石油と人類の付き合いは、実は古い。紀元前3000年ごろの古代メソポタミア(現在のイラク)では、すでにアスファルトを使っていた。日本でも668年、越の国(現在の新潟県)から“燃える水”が天智天皇に献上されたと、日本書紀に記述されている。しかし、石油が本格的に利用されるようになったのは近代に入ってから。
19世紀にはランプの燃料である灯油が原油から作られるようになり、20世紀には自動車の普及に伴い、エンジンの燃料としてガソリンの需要が急速に拡大していった。さらに、第一次世界大戦以降、戦艦の燃料も重油に転換され、「石油を制するものは世界を制す」と見られるようになった。第二次世界大戦後、石油化学工業の発達によって、石油が化学製品の原料としても重視されるようになったのは周知のとおりだ。
石油メジャーとは、原油の探鉱・開発・採掘(上流部門)から石油の精製、石油製品の販売(下流部門)までを一貫して手がけ、世界規模で事業展開している石油会社を指す。それに対して、上流部門のみ、あるいは下流部門のみを手がける石油会社もある。原油を輸入に頼っている日本の石油会社は、下流部門が中心となっている。
そのうち、中東などのOPEC(石油輸出国機構)加盟国が、世界の原油生産量の約4割を占めている。そのため、石油資源の乏しい欧州諸国は、海外に油田を求めるしかなかった。たとえば、英国ロスチャイルド財閥系のシェルは、カスピ海沿岸のバクー油田を開発しているし、オランダのロイヤル・ダッチは、同国植民地だった東インド(インドネシア)で油田を掘り当てた(両社が合併したのがロイヤル・ダッチ・シェル)。
1908年にイランで中東初の油田を開発したのも、現在の英国のBP(旧ブリティッシュ・ペトロリアム)である。日本でも、明治時代(19世紀末)には、早くもスタンダード・オイル、ライジングサン石油(昭和シェル石油の前身)といった外資系石油会社が進出している。
【次ページ】「セブン・シスターズ」と呼ばれた欧米の石油メジャーとは?
関連コンテンツ
関連コンテンツ
PR
PR
PR
今すぐビジネス+IT会員にご登録ください。
すべて無料!今日から使える、仕事に役立つ情報満載!
-
ここでしか見られない
2万本超のオリジナル記事・動画・資料が見放題!
-
完全無料
登録料・月額料なし、完全無料で使い放題!
-
トレンドを聞いて学ぶ
年間1000本超の厳選セミナーに参加し放題!
-
興味関心のみ厳選
トピック(タグ)をフォローして自動収集!
投稿したコメントを
削除しますか?
あなたの投稿コメント編集
通報
報告が完了しました
必要な会員情報が不足しています。
必要な会員情報をすべてご登録いただくまでは、以下のサービスがご利用いただけません。
-
記事閲覧数の制限なし
-
[お気に入り]ボタンでの記事取り置き
-
タグフォロー
-
おすすめコンテンツの表示
詳細情報を入力して
会員限定機能を使いこなしましょう!
「」さんのブロックを解除しますか?
ブロックを解除するとお互いにフォローすることができるようになります。
ブロック
さんはあなたをフォローしたりあなたのコメントにいいねできなくなります。また、さんからの通知は表示されなくなります。
さんをブロックしますか?
ブロック
ブロックが完了しました
ブロック解除
ブロック解除が完了しました