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- 2014/11/11 掲載
自動車部品業界の世界ランキング:デンソー、アイシン精機を襲うドイツ勢の猛攻
連載:あの業界のグローバルランキング
自動車の原価の半分を部品代が占めている
自動車を作るのに必要な部品は、実に3万点に上る。自動車メーカー(完成車メーカー)のほとんどは、エンジンなどの心臓部、車体については自社生産しているが、そのほかの部品については外注に依存している。アウトソーシングしている部品は、ネジやバネ、ベアリング(軸受け)、ラジエーター(エンジン冷却装置)、油圧機器、ガラス、ランプ、シート、カーオーディオなど多種多様だ。
自動車部品メーカーにも、ベアリングメーカーのように、工作機械や精密機械、電機など自動車以外の産業にも製品を供給しているメーカーもあれば、カーオーディオメーカーのように、自動車専用の部品だけを手がけているメーカーもある。
また、自動車部品メーカーは、特定の自動車メーカーの専属下請けと、“全方位外交”で、さまざまな自動車メーカーと取引しているメーカーに大きく分かれる。前に述べたように、トヨタや日産自動車、米国のビッグスリー(ゼネラルモーターズ・フォード・クライスラー)といったトップクラスの自動車メーカーの専属下請けには、大企業もある。
しかし、世界規模の自動車部品メーカーの大半は、国内外の大手自動車メーカーに製品を幅広く納入している。もともとは特定の自動車メーカーの子会社や系列会社であっても、ほかの自動車メーカーに販路を広げることで成長した自動車部品メーカーも数多い。大手自動車部品メーカーの中には、今や自動車メーカーと同等か、それ以上の実力を持つ企業もある。
自動車部品でも日本とドイツがツートップ
売上高による自動車部品メーカーのグローバルランキングのトップ20は次のとおりである。世界第1位の自動車部品メーカーはドイツのロバート・ボッシュである。創業は1886年(株式の9割以上をロバート・ボッシュ財団が保有。創業家のボッシュ家も株主)。エンジン用点火装置からスタート、自動車用の電子機器・通信機器・ステアリング・ディーゼルのほか、工業用オートメーション機器、産業機械、空調設備、電動工具なども生産している。
技術力には定評があり、2013年には約45億ユーロの研究開発費を投じ、全世界で約5000件の特許を出願している。ガソリンエンジンの低公害化に必要な燃料噴射の電子制御技術は同社が開発し、世界中で導入されている。
世界50カ国以上に現地法人を設立、約150カ国に事業拠点があり、約28万人の従業員を抱える。日本にも戦前から進出。ボッシュ(旧ゼクセルなどが合併。自動車部品など)、ボッシュ・レックスロス(油圧機器など)といったグループ企業がある。日本のグループ売上高だけで3,000億円以上、従業員数は約7500名にのぼる。
第3位のマグナ・インターナショナルはカナダの自動車部品メーカーで、1957年の創業。世界約30カ国に事業拠点を持ち、約13万人の従業員を擁している。「マグナの製品を使えば、自動車が1台作れる」と言われるほど、自動車部品のラインアップは多岐にわたる。ビッグスリーやBMWのサプライヤーであり、日本の自動車メーカーとの取引も拡大している。
第4位はドイツのコンチネンタル(1871年創業)。もともとタイヤメーカー(「コンチネンタルタイヤ」は現在でも世界的に有名)だったが、ブレーキ、カーエレクトロニクスなどにも多角化し、総合自動車部品メーカーとなった。世界50カ国近くで事業を展開(従業員数は約16万人)。08年にはドイツの大手ベアリングメーカー、シェフラーの傘下に入っている。
【次ページ】日本企業を襲うドイツ勢の猛攻
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