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国内外で進む脱炭素化社会への移行
気候変動に関する政府間パネルであるIPCCの最新の公表では、世界の気温上昇を1.5度に抑えるには、世界全体のGHG排出量を2030年までに2019年対比で4割程度削減し、2050年代前半にはCO2排出量ゼロを達成することが必要だ。
こうした目標達成に向けて国際的に脱炭素化の取り組みが加速する中、日本政府も脱炭素化社会への移行を進めるとともに、脱炭素化を経済戦略として生かすための仕組みづくりを着々と進めている。政府は2023年にGX基本方針の閣議決定、GX推進法の成立を経て、今年2月にはGX経済移行債の発行を開始しており、今後も成長志向型カーボンプライシングの導入、GX推進機構の設立などが順次実現していくことになる。
「現時点では、企業からみて脱炭素化対応はコスト負担だけが生じる従来型の環境規制対応と捉えられがちです。確かに初期コストはかかりますが、GX基本方針のもとで官民挙げて150兆円を超える投資が見込まれている中、早期に適切に対応を進めることが、中長期でみた経済的なメリットや恩恵に繋がるようにビジネス環境も変化しつつあります。こうした認識が普及するよう、GX推進に関する施策検討においては、環境と経済の好循環を実現させる事例創出やメリットの具体化に意識して取り組んでいます」
脱炭素についてこう話すのは、環境省 大臣官房 環境経済課 環境金融推進室長の稲村晃希氏だ。
環境省をはじめ政府が旗振り役となって進めている日本の脱炭素化だが、稲村氏は、日本企業が脱炭素化を進めるに当たっては「ある課題」が存在していると話す。そして、その課題の解決に寄与するために同省が設立したのが、「脱炭素アドバイザー」という制度だという。
一体その課題とは何なのか。そして「脱炭素アドバイザー」とはどんな制度なのか。以下で詳しく解説する。
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・企業が脱炭素化に取り組むメリット
・企業の脱炭素化を阻む「ある課題」
・「脱炭素アドバイザー」の役割とは
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