- 2010/11/26 掲載
関西流ベタベタIT商法の挑戦70~「異業種に学べ!」を旗頭に危機を乗り切る
合同会社 関西商魂 代表 中森勇人
若林常務は「安くて良い製品を作るのは当たり前。うちに頼んだら何かが違う、と顧客に思って頂くことを目指すのが肝心です。だから、渡された図面通りに作るだけでなく、こうした方がいい、こんな部品だったら使いやすい、といった提案をしていかなければなりません」と話す。しかし、口で言うのは容易いが、実行に移すためには知恵と工夫が必要になってくる。
サービス業に学べ
若林精機工業で働く従業員は66名、本社と神戸工場など3箇所の工場を持つ。加工する部品は受注生産品が多く、試作品の製作からロット生産までを自社工場でおこなう。ところが最近は試作品を作っても利益に結びつくロット生産の段階で逸注することが少なくない。 若林常務は「見積を見て安いところに注文するケースが増えています。海外のライバルメーカーも増えています。今までのように淡々と仕事をしていてはお客さんがどんどん離れていきます。では、どうすれば良いのか。答えは『異業種に学べ!』にあります。例えばラーメン屋さんの場合、隣のうどん屋が満員だから来たというお客さんに店主は怒ることなく『まいど!』と迎える。すると客は、また来ようという気持ちになりますよね。しかし、製造業の多くは一度他社へ流れた製品が戻ってくるとき『仕方がないからやったるわ』と恩着せがましく対応する。これではお客さんの気持ちは掴めません。だからサービス業から「ありがとうの気持ち」を学び、常に品質の良いものを提供していかなければならないのです」と語る。
具体的な行動としては毎日の朝礼で顧客満足をテーマに発表しあうことから始めた。これは社員の活力と元気を引き出すには有効な方法だ。次に創業者である先代が提唱する企業理念を伝え、初心を忘れずに技術革新を進めることを提唱した。
まだ、発展途上の部分もあるが従業員の意識に少しずつ変化が見えてきた、と若林常務は自信を覗かせる。
新しいことをしてナンボ
若林精機工業は新規事業として5年前からLED蛍光灯の製造、開発に取り組んでいる。最初は暗中模索で失敗も多く採算に乗せることが難しかったが、中小企業新事業活動促進法の適用を受け資金を調達するなど、あきらめずに継続。最近では大手企業との協業など、さまざまな可能性が見えてきた。中小企業でも技術とチャレンジ精神があれば大企業を超えられるということを従業員に伝えたい、同じやるなら、「精一杯やった!楽しくできた!物心共に良かった!」と感じてもらえるよう経営者として努力をしていく、と若林常務は語る。
今後10年の長期利益計画では経常利益率15%の目標を掲げ、さらなる挑戦を続けていく。
さらに「あったら!いいな!」プロジェクトを立ち上げ、世の中にこんなものがあれば便利で役に立つといった製品作りを目指していく。 「こんな取引先があってよかったと言ってもらえる会社になるように、社員さんと共にワンランク上の考え方、仕事を目指していきます」と若林常務は熱く語る。
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