- 2006/12/08 掲載
関西流ベタベタIT商法の挑戦7~ペットもポータブルする時代?
【売上アップ】合同会社 関西商魂 代表 中森勇人
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合同会社 関西商魂 代表 中森勇人 |
少し前までゲーム機といえば、若い男性の持ち物だったが、ある会社の携帯ゲーム機用ソフトの発売で様子は一変した。最近はトートバックに携帯電話と同じようにゲーム機持ち歩く若い女性が増えている。ゲームと無縁だったこの人たちがゲームに熱中するのは一体どういうことだろうか。
この現象を引き起こしたのは昨年4月の発売以来、わずか2週間で50万本の売り上げを記録した任天堂DS用ゲームソフト「ニンテンドッグズ」だ。
「任天堂さんはズルイって良く言われますね。どんなに精緻に作り込んだゲームソフトが店頭に並んでいても、かわいい子犬のパッケージが横にあると勝てませんから」と語るのは広報グループマネージャーの皆川恭廣さん。
ゲームの内容は至って簡単。15の犬種からお気に入りの子犬を選び、名前を付け、グッズで遊んだり、散歩したり、芸を教えるというもの。つまりゲーム機の中で犬を飼うのだ。ところがこの「犬を飼う」ことに若い女性を引きつけるミソが隠されている。
任天堂DSには2つのディスプレイとタッチパネル、マイク、スピーカー、無線通信機能を有し、これがインタラクティブで直感的な環境を生み出す。例えばマイクを使って話しかけたり、タッチパネルを触ってなでたりしているうちに、子犬がユーザーの声を覚え、かわいい仕草で応える。子犬たちにしつけをしたり、芸を教えたり、話しかけながらトレーニングも可能だ。さらに、電源を入れたまま持ち歩くことで無線機能を通じてDSを持っている他のユーザーの犬がお土産を持って遊びに来るという。
飼い主のプロフィールも登録できるのだが、前出の担当者によると、京都駅を歩いているとき、ワンちゃんが「是非、来てください!」と経営するお好み焼き屋の宣伝を持って遊びに来たとか。さすが抜け目がない。
えさ代もいらず散歩の時間も気にすることがない“バーチャル犬”はOLを中心にファン層を広げているという。
ソニーやマイクロソフトがハード路線でゲームソフトを繰り出してくるのを正面でうけるのではなく、“はんなり”と柔らかくかわしていく。そうしておいて、しっかり儲けるところが如何にも京都のメーカーらしいところだ。きっと犬たちも「おいでやす」と客を誘っているに違いない。
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