0
会員になると、いいね!でマイページに保存できます。
大阪が生み出した儲かる(売上アップ)のためのIT商法は、「使える物は何でも使う、便利を追求する、花より団子」とごちゃ混ぜの三拍子がそろっている。本連載ではそんなベタで面白いIT商法を紹介していく。
|
合同会社 関西商魂
代表 中森勇人
|
少子化に効くパロディーIT商法
シャッターを押すとラムネが「ポロッ!」、ラムネの色でその日の運勢が占える「食ベルンです Hi」。外観は使い捨てカメラ「写ルンです」にうり二つ。富士フイルムからクレームをつけられると思いきや、販促品として本物に付けて売られ爆発的なヒット商品になった。
「おもろなければお菓子やない」と豪語するのはオリオン株式会社の高岡五郎企画部長。2~30円が主流の駄菓子を年間13億円売り上げるというから驚きだ。昭和26年の創業以来パロディー路線を突き進む。創業の翌年にはタバコのパッケージにそっくりのココアシガレットを発売。昭和48年にはダンヒルライターに似せた梅ミンツを発売。コカコーラの缶を彷彿とさせるミニコーラはプルリングを引き抜いて飲むように食べる。いずれも大人の真似をしたい子供達に受けて、今でも定番商品として健在だ。
子供の心をしっかり掴み、最近はコンビニやスーパーに販路を拡大。商品のラインナップは70種類にも上る。
他にも携帯電話のパッケージにラムネが入っている「codomo (コドモ)」。これはアンテナを引き出すと菓子が出る。「栗栗甘栗」は天津甘栗のパッケージそのもの。ネーミングのおもしろさに惹かれ思わず手にとってしまう。
これらヒット商品の陰にはクレームを受けてお蔵入りになったものもある。ウインナーに似せた「アルトタベルン」や「チャイマッセン」など。大阪名物と銘打って特大ココアシガレットをキオスクで売るなどアイデアは尽きない。
これだけを見ると如何にもローテクでITとは関係なさそうだが、インターネットサイトでは「オリオンのパロディー商法」として話題を呼んでいる。オリオンのパロディー商法のポイントは継続すること。ココアシガレットは誕生から40年を迎えようとしている。
最近では「家庭常備菓子」をインターネットのオンラインショップで販売。これは「薬の常備箱」のパロディー商品で、箱の引き出しをあけると、ビッシリとお菓子が詰まっている。もちろん、薬のパロディー菓子も入っている。「ごりおしに正論丸」「球人」「もう退散」と思わず笑ってしまう。
「おいしい」だけでなく「楽しい」を付け加える。これが「もっと欲しい」と客の購買欲をそそる。「うれしい」悲鳴も聞こえてきそうだ。
評価する
いいね!でぜひ著者を応援してください
会員になると、いいね!でマイページに保存できます。
関連タグ