- 2012/08/07 掲載
関西流ベタベタIT商法の挑戦89~ゼニをかけずに会社を明るくします
合同会社 関西商魂 代表 中森勇人
認証で従業員のモチベーションを上げる
AKS0041の意味は「明るいマネジメントシステム、まるまるよい」の頭文字をとったもの。少々ふざけているようにも見えるが、このネーミングには芦田代表の思いが込められている。芦田代表は「私はサラリーマン時代にマネジメントシステムのコンサルタントをしていたが、認証を得ることを優先しすぎて仕事が増えたり、肝心のデータが業務に生かされないといったジレンマに悩まされてきました。だったら一層のこと、大人の認証ごっこ感覚で一からシステムを練り直してみようと思い立ちました。まあ、大阪人ですから笑わしてナンボですわ」と振り返る。
2006年の発足当初はAKS0041の知名度はほとんどなく、何かの勧誘に間違われて邪見に扱われることもあった。しかし、認定企業が元気になっていくのを目の当たりにした経営者の口コミで噂が広がっていく。現在認証企業は20社で3か月に一度の認証は順番待ちなのだという。
認証の手順は至ってシンプル。第一段階として経営者が「明るい宣言」を行い、「明るいルール」を決める。たとえば「日本一明るい会社づくり」と宣言し、業者任せではなく社員が職場の床や壁塗りをするなど。第二段階は経営者および社員が宣言に恥じない行動を心がけ、ルールを守る。たとえば「呼びかけさんさん運動」で役職を排し、お互いをさん付けで呼び合うなど。
第三段階としてNPOに認証を申請し、対象の会社が第一と第二段階ができているか否かを審査。最終段階として合格を確認しAKS0041の認証(明るい宣言の会社)として登録。社名を公表するとともに認定証を贈る。認定企業はNPOのホームページのほか、提携している地方紙のデジタルアーカイブにも掲載されるため、マスコミからの取材も必然的に増える。しかも、認証に掛かる費用は無料なのだという。
では、どのように運営をしているのか。実は認証によって明るく元気になった会社がNPOの会員となり、会費から運営費用を捻出しているのだ。なにかミイラ取りがミイラになったようだが、会員の多くは元気な中小企業が増えることでAKS0041の値打ちが上がり、自分たちの会社の評価も上がると抜け目がない。
認定を受けた会社の経営者は「最初はいい加減にやっていましたが、社員の方が面白がってどんどんアイデアを出すものだから勢いで認証を取りました。ラジオ体操をするとか挨拶を奨励するとか当たり前で簡単な行動が主ですが、上からの命令ではなく、みんなで作り上げたルールという仲間意識が芽生え、朝から元気にスタートを切れます。今はほんとうに良い加減ですわ」と上機嫌だ。
「最近は認定企業の経営者が講師となり『こうすれば会社が明るくなる』といったセミナーを主催しています。地元の新聞社とタイアップをしたメディアへの売り込み方やFacebook活用術など、すぐに役立つ勉強会なども定期的に行っています。消費税より元気を増やさんとあきまへん」と芦田代表は明るく語る。
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