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- 2025/03/27 掲載
九州発ナフコが「ホームセンター業界1人負け」の理由、消滅に追い込んだ“あの企業”
【連載】流通戦国時代を読み解く
ナフコは大丈夫? ホームセンター各社の売上比較
ホームセンター業界の2025年3Q決算を見てみると、各社ギリギリ増収増益を確保しているといった状況だ。そうした中、「1人負け」が鮮明になっているのが、九州地盤の大手ナフコだ。実は、ナフコは3期連続減収減益で、今期も赤字であれば4期連続赤字となる見通しであり、このところさえない状態が続いている(図表1)。ナフコは北九州市の家具店を発祥として、1973年からホームセンターに参入した老舗チェーン店だ。1979年の売上100億円、1982年には300億円を達成するなど成長を続け、九州・中国エリアにおいて圧倒的なシェアを獲得した企業だ。その後、1990年代以降は近畿以東にも進出するなど、業界大手としての地位を確固たるものとしてきた。
そうした企業がなぜ、現在のような状況になってしまっているのか。ここからは、同社のビジネスモデルをひも解きながら、厳しい状況に追い込まれていった要因を考えたい。

業界3位だった時代も…ナフコの「ビジネスモデル」
ナフコのビジネスモデルは、来店頻度が高いホームセンターを(購買・来店頻度が低い)家具売場と併設し、利益率が高い家具を立ち寄ったついでに買ってもらう、という家具屋らしい発想から出来ている。そうしたビジネスモデルがナフコの商品別売上・利益のデータ(2006年)から読み取れる(図表2)。
商品別の利益から売上比例で費用配分した販管費を引いた利益を比べてみると、大半の利益を家具・ホームファッションが生み出していたことが推計できる。家具の儲けを加えて、競合他社を圧倒する収益力を実現したナフコは、北九州の家具屋からホームセンター業界3位にまで大きくなることが出来たのだ。
図表3は、ホームセンター売上上位を2003年度と2023年度を並べたものになるが、2003年時点でナフコは、カインズ、コーナン商事に次いで3位という位置付けだったことがわかるだろう。
ただその後、業界ではさまざまな再編があり、4位ホーマック、7位カーマ、9位ダイキが経営統合してDCMとなり、後に5位ケーヨーも参加して、現在2位となっている。
また現在のアークランズはアークランドサカモト(ランク外)がトステムビバを統合した企業である。カインズ、コメリは大手同士の統合はしなかったが、製造小売業化や農業特化といった独自のビジネスモデルを追求することで大きく成長した。
こうした20年の中で、ビジネスモデルを大きく変えることなく、M&Aも行わなかったナフコの存在感は、相対的に小さくなった、ということなのだが、転落の要因はそれだけではないようだ。
ナフコ転落の「2つの要因」、とどめを刺した“あの企業”
図表4は、ナフコの売上、経常利益率の長期推移である。経常利益率5~6%ほどで好調に推移していたナフコの利益率は、2008年ごろから右肩下がりで低下傾向になっている。その要因はどこにあるのか。
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