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- 2025/03/05 掲載
カインズ・DCM・コーナン「今の経営事情」徹底比較、次のホームセンター強者は誰か?
【連載】流通戦国時代を読み解く
勝敗どう決まる?ホームセンター業界の特徴
ここ数年のホームセンター業界の動向を振り返ると、コロナ期には、コロナによる消費低迷で他業態小売店が苦しむ中、巣ごもり需要の追い風を受け、2021年には市場規模4.2兆円と過去最高に達したが、その後は少しずつ減少に向かい、2023年は4兆円台を割り込み、コロナ前の水準に戻った(図表1)。
そもそも、ホームセンターは家周りの需要に対応する業態であるため、一戸建ての戸数や新築件数の動向に業績が連動する傾向がある。そうしたことから、本来、戸建て比率が高いとされる地方・都市郊外エリアの世帯数・人口が減少する現在の環境下では、市場縮小は避けられない、と言われていた。
そのため、生き残りをかけた業界再編もかなり進んでおり、上位10社で7割超のシェアを占める寡占業界となっている(図表2)。つまり、大手企業の動きを見れば、ほぼほぼ業界全体の様子がわかるということになる。
カインズ・DCM・コーナン商事を徹底比較
そこで、上位企業の動向を見ていくことにしたのだが、今回は趣向を変えて、企業のIRデータなどから分析するのではなく、最近の出店動向から各社の戦略の方向性を探ってみることにしてみた。なぜかと言うと、ホームセンター業界最大手、かつ、最強であるカインズが非上場企業であり、データ開示がないからだ。仕方なくではあるが、各社が相応に開示している最近の出店情報を並べて眺めていたら、各社の方向性がある程度見えてきた。
カインズ、DCM、コーナン商事の最近の出店状況(一部リニューアルを含む)をリスト化して、関連情報をある程度付記したのが、この後に紹介する図表3~5である。
これを見ていると、(1)都市部進出強化、(2)異業態コラボによる集客力強化、(3)プロ向け市場の開拓、という3つのキーワードが、戦略方向性のヒントとなりそうだ。ここからは、さらに詳しく説明したい。
カインズの戦略:“ある店舗の居抜き”が出店の狙い目か?
カインズの最近の出店は、首都圏、京阪神の大都市圏が中心となっている。中でもこれまでになかったのは、商業施設(大型も近隣型もあり)内への出店が多くなっていることであろうか。今すぐビジネス+IT会員にご登録ください。
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