- 会員限定
- 2024/02/29 掲載
結局マツキヨココカラ最強説、「ウエルシア+ツルハ統合」ですら勝ち目なしの理由
【連載】流通戦国時代を読み解く
超巨大ドラッグストアの誕生か? 驚きの市場シェアとは
イオングループ傘下のウエルシア(売上高1兆1,000億円強)とツルハ(売上9,700億円)の売上高を単純合算すれば、約2兆1,000億円となり、統合が実現すると、現在の業界3位のマツキヨココカラ&カンパニー(売上高9,500億円強)の倍以上の規模となり、圧倒的なシェアを誇る企業が誕生することになる(図表1)。日本チェーンドラッグストア協会の調査によれば、2022年度のドラッグストアの市場規模は8兆7,134億円とされている。上位企業8社の売上を合計すると6兆円強、そのシェアは約7割と、かなり寡占化が進んだ業界と言える。
そこにイオングループという2兆円企業が誕生し、シェア約24%ほどで完全首位となれば、この業界は「勝負あった」という印象を受けるが、それほど単純ではなさそうだ。業界の覇権争いについて、株式市場がどう見ているかを確認してみると、「ウエルシア×ツルハ」の圧勝とは言えないかもしれない(図表2)。
両社の統合に関わるニュースが出始めた2月9日時点の時価総額を比較してみると、売上1位のウエルシア、2位のツルハは、売上3位のマツキヨココカラ、売上4位のコスモス薬品を下回っていた。それも、売上では上位2社のウエルシアとツルハの時価総額を単純合算しても、マツキヨココカラには追いつかない状況があった。
その後、両社の統合に関する報道が進むにつれ、ウエルシア・ツルハの株価は上昇傾向にあるが、なぜ、売上では断トツのウエルシア・ツルハと、マツキヨココカラの時価総額には開きが生まれているのか。 【次ページ】ウエルシア+ツルハでも、マツキヨココカラに勝てない理由
関連コンテンツ
関連コンテンツ
PR
PR
PR