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- 2025/04/03 掲載
生成AI時代「テクノロジーより大事」なあのリソース、ガートナー推奨の組織づくりとは
AI対応できない企業は「存亡の危機」?
日進月歩の勢いで進化を続けるAIを始め、目まぐるしく変化する事業環境に企業が対応していくことが求められる現在。そうした状況について、「産業革命とAIは急速にリアリティになっています。これに対応できない企業は弱体化し、存亡の危機を迎えるでしょう。そうならないために、ワークプレースの変革は急務です」と警鐘を鳴らすのは、ガートナーのディスティングイッシュト バイス プレジデント, アナリスト、亦賀忠明氏だ。

ディスティングイッシュト バイス プレジデント, アナリスト
亦賀 忠明氏
実際に、変化に対応するために、多大なリソースを割いている企業もすでに多い。
亦賀氏がその一例と挙げるのが、JPモルガン・チェースだ。同社は5万人のエンジニア育成に年間120億ドルを投資している。「今日のテクノロジー革命から台頭している企業には、破壊される企業と破壊的な企業の2種類がある」という認識のもと、後者の「破壊的な企業」に向かうべく、銀行のあらゆる領域に対してAIを活用した仮想アシスタントの統合を進めているという。
また、メルセデス・ベンツでは、工場全体を最適化するデータプラットフォーム、MO360(Mercedes-Benz Cars Operations 360)を開発・導入し、生産性向上だけでなく、従業員に配慮した快適な作業環境作りを推進している。「これはまさに産業革命と言えます。自動車産業において、競合相手は自動車メーカーではなく中国のBYDやシャオミのようなITベンダーで、デジタル活用が当たり前の前提になっています」と亦賀氏が強調するように、従業員にとって快適な作業環境づくりは、人材確保の観点からも重要な取り組みだ。
同じ自動車メーカーでは、フォルクスワーゲングループもAIラボを立ち上げ、10兆円規模のデジタル投資を行っている。EVの充電サイクルのAI最適化、予測メンテナンス、車両と顧客の自宅などのインフラのネットワーク化(スマートホーム)までを視野に入れた戦略を展開している。
「これらの動きは、中国の動向を意識したものです。中国ではすでにEVの普及に加えて、インテリジェント化した車両と道路、電力グリッド、スマートホームを連動させ、次世代のモビリティの世界を構築しようとしています」(亦賀氏)
生成AIの性能は「まだ1合目」
亦賀氏によると、このような動きは、「モノ」のデジタル化と「モノづくり」のデジタル化という2つの面から産業革命を加速させているという。そうした中でとりわけ重要なのは、単にデジタルを使えるようにするのではなく、デジタルが当たり前の産業に転換することだと亦賀氏は話す。実際近年は、飲食店において配膳ロボットが普及するなど、AIとの共生は身近な現実となっており、人から雇用を奪うのではなく人を支援する事例が生まれている。「2030年頃にはロボットやデジタルヒューマン、アバターに囲まれて働く世界になると予測されます。そこでは、AIの使い方だけではなく、人の能力、働き方、働かせ方が問われます」(亦賀氏)
2022年11月に、ChatGPTが登場して以降、生成AIがブームとなったが、現在の生成AIはまだ「1合目」に過ぎないと亦賀氏は話す。生成AIの進化はこれから本格化していくと見込まれ、2030年頃にはAGI(汎用人工知能)が実現し、2035年にはASI(超知能)の世界が到来する可能性があるという。 【次ページ】今「ワークプレース変革」が重要なワケ
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